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元文春エース記者 竜太郎が見た! 「和久井映見似」に想像膨らみ…三菱UFJ、貸金庫巨額窃盗女の正体 メディアも奔走、実際は似ても似つかぬ実像

zakzak by夕刊フジ 2025年1月21日 11時0分

三菱UFJ銀行〝貸金庫巨額窃盗の女〟、今村由香理容疑者(46)が1月14日、警視庁に窃盗の疑いで逮捕された。

昨年11月に懲戒解雇したことを同行が発表するも、匿(かくま)われているのではないかと噂されるほど正体が定まらない〝謎の女〟だった。それだけにXデーには、警察に連行される姿を撮ろうと多くのカメラのフラッシュがたかれた。

「手入れの行き届いたサラサラのボブヘア、黒メガネに白い大きなマスクをして、黒のダウンジャケットを着た彼女はそそくさとした足取り。表情は読み取りづらかったものの、そんなに動揺しているようには見えなかった。お堅いメガバンクの練馬支店や玉川支店の支店長代理、仕事は優秀という評判だったので、先入観から美人キャリアウーマンを想像していました」(テレビ報道記者)

事件発覚は昨年10月末。顧客から貸金庫の資産が減っていると相談を受け、同行が内部調査をしたところ、本人が窃盗を認めたのだ。被害者は60人以上、総被害額は17億円以上に達する見込みだ。

犯人探しにメディアが奔走するなか、「和久井映見似」という知人の証言が飛び出し、世間は想像を膨らませた。

「逮捕後にテレビ朝日が報じた今村の映像はまさにスクープでした。ほんの数十秒でしたが、自宅から出てきて警戒しながらあたりを見回す彼女の様子が鮮明に記録されており、粘り強く張り込んだ成果のたまものです。で、びっくりしたのが和久井映見とは似ても似つかなかったこと。二重顎が特徴的で、浮腫(むく)んだような丸顔。目がギョロッとしていて、どちらかというと婚活連続殺人事件の木嶋佳苗死刑囚に似ていると思いました。しかしあの映像は犯罪者の生々しさ、追い詰められている心理が伝わり、見ていてドキドキしました」(社会部記者)

SNS上では「いや中村うさぎに似ている」「山村紅葉だと思う」という声も持ち上がり、話題となっている。また彼女の経歴を含め、元夫が資産家で本来金には困らない立場だったことや、FX取引や競馬で多額の損失を出したこと、毎晩飲み歩いていた話など、今後も世間の関心は続くだろう。

「1981年に三和銀行の女性行員が1億8000万円を横領した事件で日本中が大騒ぎになりましたが、女性行員の犯罪では過去最大の被害額ではないか。しかし一方で銀行員による不祥事や犯罪は多い。組織内で処理するためバレないだけで、氷山の一角ではないかと疑う余地があります」(同前)

そんな銀行の体質を熟知したベテラン行員だからこそ、今村は貸金庫を思いつき、大胆な犯行に及んだのかもしれない。

■中村竜太郎(なかむら・りゅうたろう) ジャーナリスト。1964年1月19日生まれ。大学卒業後、会社員を経て、95年から文藝春秋「週刊文春」編集部で勤務。NHKプロデューサーの巨額横領事件やASKAの薬物疑惑など数多くのスクープを飛ばし、「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」の大賞受賞は3回と歴代最多。2014年末に独立。16年に著書「スクープ! 週刊文春エース記者の取材メモ」(文藝春秋)を出版。現在、「news イット!」(フジテレビ系)の金曜コメンテーターとして出演中。

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