日本テレビの中で地殻変動が起きている。来春の改編をめぐって、人気長寿バラエティー「行列のできる相談所」に加えて、朝の情報番組「ズームイン!!サタデー」も終了することになったという。長年にわたって日テレを支えてきた番組が相次いで幕を閉じるにはわけがある。
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「行列」「ズムサタ」視聴率が低迷…
「行列」は、「ザ!鉄腕!DASH」「世界の果てまでイッテQ!」と並んで、日曜の夜7時から3時間のゴールデン帯を一角を長年占めてきた人気番組だ。
「レギュラー化が2002年4月なので23年間続いたことになります。一時は視聴率も20%越え、『行列』を含む最強のトライアングルが、日テレのゴールデン帯の年間視聴率トップに貢献してきたのは言うまでもありません。しかし最近は視聴率は二桁に届かなくなっていました」とテレビ誌編集者は話す。
「行列」終了の大きな要因となったのが、13歳から49歳までの層の個人視聴率である、いわゆる「コア視聴率」だとされる。簡単にいえば、購買意欲の強い若い層が対象で、スポンサーが最重要視し、テレビ局も強く意識する数字なのだ。
このコア視聴率で好調だといわれているのがフジテレビ。日本テレビは世帯視聴率でも、テレビ朝日としのぎを削っている状況だ。
「『行列』の後番組はSnow Manの名前が挙がっており、やはりコア視聴率を意識しているといえます。『ズムサタ』の後番組も情報番組の『シューイチ』が週2になるといわれ、こちらもこれまでとは違う層をターゲットにしようという狙いがみえます」と先のテレビ誌編集者。
日テレといえば、長年視聴率三冠(全日、ゴールデン帯、プライム帯)だったこともあり、民放各局の中でも改編率が一番低かった。それが今春、大きな変革に着手したのはなぜか。
「日本テレビホールディングス(HD)は先月、同社系列の札幌テレビ、中京テレビ、読売テレビ、福岡放送の4社が経営統合し、来年4月1日付で持ち株会社の読売中京FSホールディングスを設立することを発表しました。代表取締役社長には日本テレビHDの石沢顕社長の就任が予定されています。結局、地方局も日テレのより強いコントロール下に収められることになります。それだけ地方は厳しい。日テレはこれを支えていかなくてはならない。この厳しい状況を打破し、スポンサーをより取り込むためにも、地方局の統合を機に、制作部門もよりドラスチックな改革が求められているわけです」と放送関係者は指摘する。