首位広島を追撃する2位巨人は、途中加入のエリエ・ヘルナンデス外野手(29)が痛恨の長期離脱。「3番・中堅」と打線の中核にしてセンターラインを担ってきた救世主の代役は、簡単には見つからない。
前日11日の中日戦で左手首を骨折したヘルナンデスに代わり、12日の阪神戦(東京ドーム)を前に浅野翔吾外野手(19)が緊急合流。昨年のドラフト1位は今月2軍で打率・462ながら、4月7日以来の再昇格を「うれしいという気持ちはなくて、(ヘルナンデスが)ケガしなかったら上がれる状況ではなかった」と冷静に受け止めた通り、出番なしに終わった。
阿部慎之助監督(45)は中堅には守備を買ってオコエ瑠偉外野手(27)を起用。3番には坂本勇人内野手(35)を据え、「3番を打てそうな人がいませんので。もう状態も何もないでしょ。経験がモノを言うし、あれだけ打ってる選手ですから」と説明した。
坂本は不振で一時は2軍調整もあり、打率・238、4本塁打とさえないが、8月の打率は・346と上向き。「彼(ヘルナンデス)がずっと引っ張ってくれていたので、みんなでカバーしないといけない」と意気込んで臨んだが、3打数無安打に終わった。
それでも試合は、1回2死二塁から三ゴロを阪神・佐藤が悪送球して得た先制点を、5投手の完封リレーで死守。終わってみれば守備力の差が勝敗を分けた。阿部監督は未知数の若手に起爆剤を期待するよりも、堅実路線で逆転Vを目指す。 (塚沢健太郎)
巨人―阪神19回戦(9勝9敗1分、18時、東京ドーム、4万1907人)
阪 神000000000-0巨 人10000000×-1
(勝) 山崎伊18試合8勝4敗
(S) ケラー36試合1敗1S
〔敗〕 西勇17試合5勝4敗