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うまちゃんの財ザク! 米国利下げ確実でニトリに追い風 小泉進次郎氏に「さいか屋」 ハリス副大統領に「住友林業」も関連銘柄として面白そう

zakzak by夕刊フジ 2024年8月30日 11時0分

米国連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は先週末、「政策を調整すべき時がきた」と9月に利下げすることを明言しました。米国はインフレよりも労働市場に配慮しなければならないフェーズに入りました。これを受け、週末23日のニューヨーク株式相場は反発、ダウ工業株30種平均は過去最高値を上回りました。

一方、日銀の植田和男総裁は23日、衆院財務金融委員会の閉会中審査で、今後の金融政策については、「金融緩和の度合いを調整していく基本的な姿勢に変わりない」と説明。日銀が掲げる2%の物価安定目標の確度が高まれば、政策金利を引き続き引き上げていく考えを示しました。

ただ、せっかく閉会中審査に出られたのであれば、ここはもうちょっと踏み込んでほしかったですね。前回(22日発行)、このコーナーで触れたGDPギャップがマイナスで、所得から税金と社会保障を引いた可処分所得が減少している中、利上げするのは経済学のロジックから逸脱していないのか? 日銀が何を基準にモノゴトを考えていて、今後、どんなアクションを取り得るのか?

こうしたことをひもとくような質問をぶつけてほしかったと思います。そういう議論ができると、国民の不安を取り除くことができると思うのですが。

米国利下げ確実でニトリ追い風

個別では、米国の利下げが確実となったことで、日米の金利差が縮まることが意識され、円高ドル安が進むとの見方から、仕入れコストが低下するニトリホールディングスには追い風です。この先、ニトリがトレンドになるかもしれません。

あと、航空機エンジンの品質問題や舶用エンジン事業の不適切行為があったものの、悪い材料も出尽くしたと思われるIHI、「ソフトバンクが1000億円規模の出資を行う案が浮上」と報じられたシャープ、55歳以上の男性をターゲットにした化粧品の新ブランドを発表したマンダムなども注目です。

もう1つ、自民党の総裁選に立候補する小泉進次郎元環境相の地元で横須賀店などを展開する神奈川県の百貨店さいか屋、米国民主党の大統領候補のカマラ・ハリス副大統領が経済政策で住宅の価格抑制に言及したことで、米国で住宅販売事業を展開中の住友林業も関連銘柄として面白そうです。

■おまけのひと言

「セブン&アイがカナダの企業から買収提案を受けた件は、セブンが外資による出資規制の対象となっていることで、実現の可能性はほとんどなくなりました。もともとセブンにメリットのない話。食料安全保障の観点から守るべきでしょう」

【財ザク!】「貯蓄から投資へ」と提言する政府。その投資で少しでも財産アップを達成するために「うまちゃん」が有益な情報をザクザクとお届けします。

■馬渕磨理子(まぶち・まりこ) 経済アナリスト。日本金融経済研究所代表理事。イー・ギャランティ社外取締役。愛称・うまちゃん。1984年生まれ。滋賀県出身。同志社大学法学部卒、京都大学公共政策大学院修士課程修了。大学時代はミス同志社。『LiveNewsα』(フジテレビ系)など出演番組多数。新刊『収入10倍アップ超速仕事術』(PHP研究所)が話題。

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