野球の国際大会「プレミア12」で連覇を目指す日本は22日、2次リーグ第2戦(東京ドーム)でベネズエラに9―6で逆転勝ちし2連勝。牧秀悟内野手(26)=DeNA=が勝ち越しの満塁弾を放って決勝進出を大きく手繰り寄せた。
今大会初めて2点のビハインドを背負った6回。坂倉(広島)のソロで1点差に迫り、2死から満塁の好機を作ると栗原(ソフトバンク)が押し出し四球を選んで同点。
さらにチェコとの強化試合第2戦から井端弘和監督(49)が一貫して6番で起用する牧が1ボールからの2球目を強振。ライナー性のアーチを左翼席に突き刺した。味方ベンチに向かって雄たけびを挙げ、本塁生還後はベンチの選手全員でDeNAでの決めポーズ〝デスターシャ〟をそろえた。
「今日まで全然打ててなかった。気持ちが高ぶって、うれしかったというのはありますね」と振り返った牧。「まだ映像を見てないんで、ホテルでチェックします!」と、決勝弾と侍全員でのセレブレーションの余韻に浸った。
プロデビューから4年連続で打率・290、20本塁打、70打点を超え、昨季は103打点でタイトルも獲得。DeNAでは主に2番を任され、打線の司令塔役を担う万能打者を指揮官は「本来ならば4番を任せられる打者」と評する。
それでもあえてクリーンアップの後ろの6番に置いた理由を「彼は打順のどこに置いてもチャンスで回ってくる。4、5番の後で『もう一丁』といける」。長打力と出塁率を兼ね備える森下(阪神)と栗原の後ろに据えることで得点力を高める狙いがある。
牧は「上位打線のメンバーだけでも得点できますが、さらにチャンスを作って自分に回してくれる。何とかしないといけないなと思ってました」と井端監督の思いをくみ取っている。
今大会の主砲として期待されながら腰の故障のため辞退した岡本(巨人)は「僕が日本の右打者で最強? 牧がいます」と2歳下のスラッガーを評している。ハマの大砲が、日本の大黒柱に成長しようとしている。 (片岡将)
◇野球 プレミア12(22日・東京ドーム)
【2次リーグ】
日本(2勝) 9―6 ベネズエラ(1勝1敗)
(勝)井上(3勝)
(敗)アルバレス(1勝1敗)
(本)レイエス②(才木)=2回、CE・ペレス②(井上)=6回、坂倉①(ブレト)=6回、牧④(ガルシア)=6回