決算発表や業界環境の変化などを受けて、アナリストによる目標株価の変更が相次いでいる。目標株価は企業業績や市場動向を考慮し、おおむね半年から1年後に予想される適正水準のため、注目している投資家は多い。
今週の10万円株は、10月に入ってから目標株価が引き上げられた銘柄をピックアップした。
プライム市場の「いちご」(2337)は、不動産運用事業、太陽光や風力発電等のクリーンエネルギー事業、不動産運用のアセットマネジメント事業を展開する会社。10日に発表した第2四半期決算では、売上高は前年同期比37%増、経常利益は同35・9%増で着地した。
SMBC日興証券からは、22日に同社の目標株価を従来の390円から420円に引き上げるレポートが出されている。
株価(28日)は、410円と4万円台で投資可能。10月中旬に全体相場が軟調に推移する中でも逆行高を演じており、日足チャート上には同値を含め、11連続の陽線を描いている。まずは3月に付けた年初来高値463円奪回を狙いたい。
プライム市場の「ネットプロテクションズホールディングス」(7383)は、BNPL(後払い)決済サービスを提供する会社。アパレルやエンタメを中心とした加盟店の伸長などもあり、25年3月期は増収増益予想で、3年ぶりに黒字転換の見通しだ。
17日には、SMBC日興証券が同社の目標株価を従来の400円から460円に引き上げた。
株価(28日)は334円と3万円台。全体相場が急落した8月5日には株価150円まで売りたたかれたが、その後は急上昇し、目標株価が引き上げられた17日には414円の年初来高値を付けている。
プライム市場の「北陸電力」(9505)は、北陸3県に供給する大手電力会社。同社のみならず大手電力会社には目標株価の引き上げが目立っているが、中でも北陸電力は引き上げ幅が大きく、投資妙味は大きそうだ。
17日に大和証券が同社の目標株価を従来の840円から1420円に引き上げている。株価(28日)は898円と8万円台で買える。株価指標的にも割安度が顕著で、中長期スタンスで注目できそうだ。 (三枝裕介)