色気のある演技とひょうひょうとした存在感で親しまれながら今月14日に75歳で死去した俳優の火野正平さん。数多くの女優と浮名を流し、最高〝11股〟と自称するほどの〝元祖プレーボーイ〟として名をはせた色男だった。
所属事務所によると、今年4月から持病の腰痛の治療をしていたが、夏に腰を骨折し体調を崩していたという。長年出演していた、自転車で旅をする「にっぽん縦断 こころ旅」(NHK・BS)は、腰の不調を理由に今年4月から出演を控えていた。
人気子役からスタートした芸歴は60年を超える。1973年のNHK大河ドラマ「国盗り物語」で羽柴秀吉を演じて注目されると、時代劇や任俠(にんきょう)ものを中心に数多くのドラマや映画に出演。
出演作でもどこか憎めない、愛嬌(あいきょう)のある役を演じることが多かったが、プライベートでもよく愛された。70年代から新藤恵美(75)、小鹿みき(75)、西川峰子(現・仁支川峰子、66)ら多くの女優と浮名を流し、自ら「最高11股」と称するほどのモテ男。マネジャーとの熱愛を直撃しようとした週刊誌記者が自宅を訪れるとパンツ一丁で出てきたなど艶話には事欠かないが、女性との関係を堂々と語るところが、女性から愛されたゆえんか。
「1年半仕事がなかったことあったしね」
本紙のインタビューでも「俺なんか、1年半仕事がなかったことがあったしね。女の敵と言われた辺りかな」と包み隠さず語る一方、俳優という仕事について「俺にはいい職業だったんだな」とも。最後まで仕事への復帰を願っていたというが、その思いはかなわなかった。