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カワノアユミの盛り場より愛を込めて ベトナム屈指の観光地・ダナンの目覚ましい発展に複雑 かつて同等の物価だったタイからも旅行者「最も安い目的地」に不思議な思い

zakzak by夕刊フジ 2024年9月5日 6時30分

この夏はタイのパタヤに短期滞在している筆者だが、先日から同じインドシナ半島にあるベトナムのダナンを訪れている。南シナ海に面したベトナム屈指の観光地だ。

なぜダナンなのかというと、タイで10年以上暮らす知人から、「いま、日本人のタイ在住者が次に長期滞在や移住を考えているのがダナンだ」と聞いて気になったのだ。

ダナン訪問はおよそ10年ぶりで、当時は「次に来るビーチリゾート」として注目を集めていた時期であった。ただ、実際に訪れてみると、街は下町感が残るローカルな雰囲気。ナイトライフも少なく、カジノくらいしか遊ぶことがないというのが正直な感想であった。

それが今回は驚いた。大きなハン川にかかる名物の「ドラゴンブリッジ」は当時から存在していたが、周辺のリバーサイドには高層ビルやホテルが立ち並び、目覚ましい発展を遂げていた。

ダナンを訪れる前に、ベトナムの性風俗についても下調べした。性風俗は違法なベトナムだが、ダナンにもグレーなマッサージ店や女の子の連れ出しが可能なカラオケ店は存在する。ただ、タイほど目立ってはいない。

また、バイクに乗って客引きを行う「ホンダガール」と呼ばれる立ちんぼもかつては存在したが、最近は取り締まりが厳しくて、表立って営業することはないという。

ではベトナムのフリーランス嬢たちはどこに消えたのか。出発前にバンコクで、とある情報を耳にして驚いた。なんとバンコクにはベトナム人女性が多数在籍する置き屋があるというではないか。

筆者も長くタイに通っているが、タイでベトナム人風俗嬢がいるとは初耳だった。ベトナム人女性といえば、昔からマレーシアの首都クアラルンプールに出稼ぎに行くイメージがあったのだ。

クアラルンプールにはかつてベトナム人風俗嬢が働くクラブがあった。だが、コロナ禍を境にクラブは閉店。一昨年はクアラルンプール市内の性風俗店5店で、ベトナム人女性43人を含む外国人男女72人が逮捕された。

今年は海外の有名旅行雑誌でも「旅行者にとって最も安い目的地」の1つに挙げられるなどベトナム人気は上昇中だ。一方、かつてはベトナムと物価も変わらなかったタイでは都市部での物価上昇が著しく、性風俗など盛り場での夜遊びも、いまや東京と同等かそれ以上の高さとなっている。

安いベトナムへはタイからの旅行者が増え、逆にベトナム人はタイに出稼ぎに行くように。タイの日本人も移住を考え始めたというダナンの街を見ながら、なんとも不思議で複雑な気持ちを抱かざるを得ないでいる。

■カワノアユミ 20代を歌舞伎町と海外夜遊びで過ごした元底辺キャバ嬢。現在は国内外の夜の街でニッチなネタから盛り場の変遷までを幅広く取材。著書に、アジア5カ国の日本人キャバクラで9カ月間潜入就職した『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)。X(旧Twitter):https://x.com/ayumikawano/

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