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止まらない世代交代、小泉進次郎氏が総裁選出馬へ 「若さ」と「知名度」で刷新、小林鷹之氏とガチンコ 50、60代は「賞味期限切れ」か

zakzak by夕刊フジ 2024年8月21日 11時43分

自民党総裁選の焦点に〝世代交代〟が急浮上している。無派閥で43歳の小泉進次郎元環境相が出馬の意向を固め、急速に支持を固めているのだ。総裁選にはすでに、小林鷹之前経済安保相(49)がいち早く名乗りを上げて注目を集めている。党の宿痾(しゅくあ)だった「政治とカネ」の問題と一線を画す、若くて派閥色の薄い2人のデッドヒートとなれば、ベテラン勢は「後退」を余儀なくされそうだ。

「総裁選で頑張りたい」「出馬準備を進めている」

関係者によると、小泉氏は周囲にこう伝え、支援を要請しているという。岸田文雄政権と距離を置く、無派閥の有力者である菅義偉前首相が高く評価しており、小泉氏の支援を本格化させるとの見方がある。

TBSは19日、支援議員について「すでに40人以上いる」との周辺議員の声を報じている。

小泉氏は関東学院大卒、米コロンビア大大学院修了。父の純一郎元首相の秘書を経て、2009年に衆院議員に初当選した。現在5期目で、党青年局長や筆頭副幹事長、環境相なども経験している。

最大の武器は「若さ」と「抜群の知名度」だ。

自民党議員は「総裁選が終われば、『10月解散―11月衆院選』と取り沙汰されている。小泉氏には、派閥裏金事件などで大炎上した岸田政権や自民党の先行きに不安を抱く議員らから、早期に〝出馬要請〟があった。一貫して慎重な姿勢だったが、党内の『刷新』を求める空気に活路を見いだしたのでは」と語る。

父の純一郎氏はかつて、「50歳までは総裁選に出るな」と助言していたという。ただ、日本を取り巻く環境が悪化するなか、政権政党として再生するラストチャンスに賭けたようだ。首相に就任すれば、44歳で初代首相になった伊藤博文より若く、歴代最年少となる。

世論の期待もある。

共同通信社が19日に公表した緊急世論調査で、小泉氏は次期総裁にふさわしい人物として2位(19・6%)に付けた。トップは67歳の石破茂元幹事長(25・3%)だった。

前出の議員は「小泉氏は東日本大震災の被災者の声を聴くため、被災地を細かく回っていた。選挙応援でも、圧倒的な知名度と見栄えのする演説で引っ張りだこだった。総裁選でも、そうした貯金は生きるだろう」と見る。

同じ40代の小林氏とのガチンコ勝負に注目が集まれば、「既視感のあるベテラン勢には極めて厳しい戦いとなる。結果次第で50代、60代の議員は『賞味期限切れ』とみなされる」(党ベテラン議員)。

前出の共同通信の世論調査で、小林氏を総裁候補に推す声は、前月の0・7%から3・7%に急伸している。

不安要素は「経験値」だ。

過去の総裁は、主要閣僚や党4役のポストの経験が〝条件〟だったが、小泉氏や小林氏にはこれらがない。「長い総裁選(15日間)では『ボロ』が出る不安もある」(中堅議員)。

「若さ」「刷新感」に振り切った総裁選になれば失望を招くとの声もある。

保守系議員は「自民党を根強く支持してきたのは、地に足のついた憲法改正議論や、外交・安保の強化、皇室のあり方への真剣な取り組みを期待する国民だ。『次の選挙目当て』だとみなされれば、取り返しがつかない」と語る。

石破、河野、林各氏も最終調整へ

自民党総裁選をめぐっては、石破茂元幹事長(67)が24日に地元の鳥取県で正式に立候補を表明する方向で最終調整に入った。「推薦人確保は確実になりつつある」としており、5度目の出馬となる。

河野太郎デジタル相(61)は26日に記者会見を開き、立候補を正式に表明する方向で調整に入った。週内の表明を検討していたが、情勢を見極めるため週明けに持ち越すのが適切と判断した。小泉進次郎元環境相(43)も出馬の意向を示しており、前回総裁選に際し河野氏支持で連携した「小石河」の対応が分かれることになる。

林芳正官房長官(63)は27日にも出馬を正式表明する方向で最終調整に入った。上川陽子外相(71)も出馬に意欲を見せており、岸田派の分裂選挙が避けられない見通しとなった。

茂木敏充幹事長(68)は20日、菅義偉前首相と会食した。総裁選について意見を交わしたとみられる。

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