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10年に1度の超高気温、猛暑どう乗り切る 台風一過、暑さと冷えで自律神経も疲労…心身の不調に警告 専門家に対策を聞く 

zakzak by夕刊フジ 2024年8月17日 15時0分

台風7号が17日、東北沖の海上に進み、再び首都圏や関西地方では35度以上の猛暑日が襲ってくる。そんな中、気象庁は今月下旬も日本全域で10年に1度の高温になるとして警戒を呼び掛けた。長時間高温にさらされると筋力が低下、疲労が蓄積し、命に関わる恐れもある。熱中症を防ぐためにエアコン(クーラー)の使用も常識になってきたが、外気で高温、室内では低温という寒暖差が繰り返されると、心身の不調を来たしやすいと専門家は警告する。その対策を聞いた。

7月に40度以上7カ所

気象庁は15日、21~29日までを対象として、日本海側を除く北海道から沖縄までの日本全域に高温に関する「早期天候情報」を発表した。これは10年に1度程度しか起きないような著しい高温に6日前に注意を呼び掛けるものだ。

また、7月の平均気温は平年よりも2・16度高く、1898年の統計開始以降で最も高かったと明らかにした。7カ所で最高気温40度以上を記録し、これまで1位だった昨年を上回り、2年連続で最も暑い7月となった。

懸念されるのは、心身への影響だ。気象と身体の関係に詳しい「せたがや内科・神経内科クリニック」の久手堅司(くでけん・つかさ)院長は「長時間高温にさらされ続けると、熱中症など死に至るリスクがある。体温調節でエネルギーを使っている自律神経も常に働き続けるため疲労し、筋痙攣(けいれん)や頭痛、めまい、倦怠(けんたい)感などの症状が出ることもある。業務などで長時間、連続的に高温の屋外で勤務するのは危険で、絶対に避けるべきだ」と指摘する。

起床時に体起こせず

室内ではエアコンが欠かせないが、そこでも注意が必要だと久手堅氏は語る。

「昨今はクーラーを使用するのは当たり前だが、暑さと冷えが交互に繰り返されると、高温の外気との寒暖差も広がり、熱中症に至らずとも夏バテが起こりやすくなる。主に倦怠感だが、重いケースだと起床時から体を動かせないなどの症状が襲うこともある」

総務省消防庁は14日、今月5~11日の1週間に8672人が熱中症により救急搬送されたとの速報値を発表した。高齢者のリスクも懸念され、65歳以上は5188人で全体の59・8%を占めた。特に高齢者は注意が必要だ。

26~28度程度に設定を

前出の久手堅氏は「高齢者の場合は加齢で温度感覚が鈍くなりがちだが、ここまで気温が高い場合はクーラーの使用は必須だ。気温が25度程度であっても湿度が高ければリスクがある。水分補給はもちろん、寝室に温度計や湿度計を常備するのも重要だ。クーラーは26~28度程度で冷えすぎず、汗が出ない程度の温度設定にするとよい。外出時も充電式のネッククーラーや小型扇風機を持っていても損はない」とアドバイスした。

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