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カワノアユミの盛り場より愛を込めて 夜の営業にも利用、マッチングアプリは危険と隣り合わせ 「出会い」装い集客…安易な利用が思わぬ事件につながる可能性も

zakzak by夕刊フジ 2024年11月7日 6時30分

SNSやマッチングアプリでの出会いをきっかけとするトラブルや犯罪が後を絶たない。特に夜の業界で働く女性が被害に遭うケースは多い。

先月27日には、東京・新橋のガールズバーで働く18歳の女性が客の男に刺されて死亡するという事件が発生した。現行犯逮捕された49歳の男は、被害女性とは今年6月頃にマッチングアプリを通じて出会い、店に通うようになったと供述している。被害女性は先月初旬、「アプリで知り合った男性に財布からお金を盗まれた」と警視庁に相談もしていた。この男が容疑者とみられている。

一方、事件の背景には、被害女性がマッチングアプリを使って客を募っていた可能性も指摘されている。マッチングアプリで「出会い」を装いながら、実際は店への集客を目的とする行為は、特にキャバクラやホストクラブの業界で一般的に見られる営業手法だ。

都内に住むある30代のシングルマザーの女性も、かつてマッチングアプリを通じてホストと知り合い、トラブルに陥った1人だ。当初は相手がホストであることを警戒していたが、彼が自分の子供の幼稚園の運動会に足を運ぶなど家庭的な一面を見せたことで、次第に心を許したという。

「出会ってすぐに付き合おうと言われました。最初はホストだし…と思っていたんですが、子供にもよくしてくれるのでいつの間にか警戒を解いてしまいました。しかし、親しくなるにつれて、彼からの連絡が徐々に減っていき、そこで連絡を取ると『一度だけ初回料金で店に来てほしい』と頼まれたんです」

店へ行くのはその一度きりだったはずが、回数を重ね、支出も膨らんでいった。気がつけば育児もおろそかになって、子供を実家に預けてまでホストクラブに通うようになっていたと振り返る。

彼女がこのホストと縁を切るきっかけとなったのは、彼の手口が明らかにされたネット掲示板への書き込みを目撃したことだった。「アプリで客を釣っている」と他の女性にも同じ手口で営業をかけていたことが発覚したのだ。ネット上には彼が他の女性に書いたメッセージもさらされており、「これで目が覚めた」と彼女は告白した。

今回の新橋の事件で、被害女性がマッチングアプリを利用して客を募ったという証拠は現時点では確認されていない。だが、もし事実であれば、店側の営業方針も含めて調査されるべきだろう。

手軽な出会いの手段として広まったマッチングアプリだが、安易な利用が思わぬ事件につながる危険性も否定できない。利用には改めて慎重な判断と自己防衛意識が必要だ。

■カワノアユミ 20代を歌舞伎町と海外の夜遊びに費やした元キャバ嬢ライター。現在は、国内外の夜の街の変遷や日本人の海外移住などを取材。著書に、アジア5カ国の日本人キャバクラで9カ月間潜入就職した『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)。X(旧Twitter):https://x.com/ayumikawano/

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