日本テレビの連続ドラマ「GO HOME~警視庁身元不明人相談室~」は、今年4月に「水曜ドラマ」を枠移動する形で新設した「土ドラ9」の第2弾だ。
あわせて日テレは「土曜ドラマ」を「土ドラ10」と改称し、今期は「マル秘の密子さん」を放送。土曜夜9~11時にドラマを2本立てとした。
この「あわせて」に少々こだわりたい。
というのも、「GO HOME」のメイン脚本は八津弘幸、「マル秘―」は同じく丑尾健太郎。そろって今回はオリジナルドラマだ。
「今回は」というのは、八津は2013年版「半沢直樹」や2015年版「下町ロケット」、5歳年下の丑尾は2018年版「下町ロケット」や2020年版「半沢直樹」、つまりTBS日曜劇場の池井戸潤の原作もので名をはせた。今回は違う。
前クールの「土ドラ9」第1弾が池井戸原作「花咲舞が黙ってない」第3シリーズだっただけに、今回のオリジナル勝負は目立つ。いや、八津の昨年の日曜劇場でのヒット作「VIVANT」もオリジナルだった。すでに「おちょやん」で朝ドラを手がけ、再来年はNHK大河「豊臣兄弟!」に挑む八津。
となると、丑尾にもNHKから初めての執筆オファーがいつ来るか、いささか気になるが、ともあれ今夏は八津の「GO HOME」の出来栄えを見定めたい。
というのも、丑尾より年長で八津よりは若く、大河「どうする家康」を書いた古沢良太が、新作「エンジェルフライト 国際霊柩送還士」(7月14日までNHK・BS、全6回)でかなりの完成度を見せていたからだ。切磋琢磨(せっさたくま)してほしいとドラマファンは願わずにおれない。
で、「GO HOME」。主演の小芝風花は副題の実在組織の捜査官。10歳上の同期の大島優子と顔を合わせればいがみ合うが、身元不明のご遺体を1人でも多く特定して家族のもとへ帰したいという思いは同じ。大島とW主演と言ってもおかしくないバディーもので、ときどき織り込まれる2人のスパーリング・シーンがとてもいい。室長の吉田鋼太郎、似顔絵捜査官の半海一晃もいい味を出している。 (新橋のネクタイ巻き)