■当面の物色の中心は「内需株非製造業」に
トランプ次期米政権による関税の引き上げや大型減税などの財政拡張的な政策によって、インフレ再燃リスクが高まっている。FRBによる利下げピッチも鈍化するとの見方が強まり、米長期金利が上昇している。
その結果、株価指標で割高な米ハイテク株の上値が重い。この影響を受け、足元の日経平均も調整色を強めている。また、3月期決算企業の中間決算では、円安にもかかわらず、中国景気の悪化などの影響で製造業の業績悪化が目立っていた。よって当面は外部環境の影響を受け難い内需株非製造業が物色の中心になる見通しだ。
まず、リミックスポイント(3825)はキャッシュ・マネジメント戦略の一環として暗号資産を購入している。これが注目ポイント。
ETFを通じた機関投資家の投資や事業会社による保有の増加、ビットコインの半減期後の価格上昇トレンドや米国での大統領選挙の結果を踏まえ、同社は暗号資産を購入し続けている。11月20日にも新たに5億円の暗号資産の追加購入を決議した。これにより、暗号資産の総投資額は30億円となる。
次に、エフ・コード(9211)は業界の老舗であるCDP/パーソナライズ/MAツール提供企業のアクティブコアと業務提携を行った。これが注目ポイント。
マーケティング全体をより効率的に統合するため、アクティブコアのmarutto1to1(まるっと1to1)とエフ・コードの集客・接客ノウハウを掛け合わせる。これによりユーザー体験の質を高め、クライアント企業のビジネス成長を加速させることを目指す。
同社の足元業績は好調だ。M&Aで連結子会社となったグループ各社の業績貢献などにより、2024年12月期第3四半期の連結売上収益は30・77億円(前年同期比94・7%増)、営業利益は10・16億円(同144・6%増)だった。
■「カイオム・バイオサイエンス」抗体のライセンス契約締結
そして、カイオム・バイオサイエンス(4583)は、旭化成ファーマとの間で、同社の治療用抗体「ヒト化抗CX3CR1抗体」(同社プロジェクトコード:PFKR)の独占的ライセンス契約を締結した。これが注目ポイント。
本ライセンス契約に基づき、同社は旭化成ファーマに対してPFKRの全世界における独占的な開発、製造および販売権をサブライセンス権付きで許諾する。
また、同社は契約一時金として2億円を受領するほか、将来的な開発や販売の進捗(しんちょく)に応じてマイルストーンを最大で約248億円受領する。さらに製品上市後には、製品の売上高に応じたロイヤルティを受領することになる。 (株式会社カブ知恵 代表取締役・藤井英敏)