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元文春エース記者 竜太郎が見た! 「aikoの育ての親」による〝洗脳〟…駆逐できない!?〝金のなる木〟に群がる害虫 芸能界では「あるある」

zakzak by夕刊フジ 2024年6月25日 6時30分

「すべてにおいて洗脳されていました」「最低だなと思った。絶望したし、すごく悔しかった」

シンガー・ソングライター、aiko(48)が6月18日、彼女の会社に約1億円の損害を与えた会社法違反罪(特別背任)に問われている同社の元取締役、千葉篤史被告(58)の第2回公判(東京地裁)に出廷し、証人尋問で冒頭のように語った。

「このような形で芸能人が裁判に出るのは珍しいケース。aikoはよほど裏切られたという気持ちが強く、許せないと思ったのでしょう。被告人や傍聴人から見えないようプライバシーを守るついたての向こうから、はっきりとした口調で証言していました」(社会部記者)

千葉被告は東京都内の有名大学を卒業後、ポニーキャニオンに入社。音楽ディレクター時代、地元大阪で活動していたaikoを見いだし、「花火」や「かぶとむし」などのヒットに携わり、「千葉はaikoの育ての親」というのが業界の定評だ。

デビュー当時のaikoがなかなかヒットに恵まれず伸び悩んでいる頃に、寄り添って励まし続け、結果、彼女はスターに。強い信頼関係で結ばれたふたりだったが、千葉被告はaikoをコントロールし、いつしか彼女の生み出す金を私利私欲で動かすようになった。

「事件の構図はすごくシンプルです。千葉が知人の会社とグルになって、コンサートのグッズの仕入れを水増し請求し、それをあとで山分けするというもの。千葉はその金をブランド品購入、高級住宅地の住まいなど自身のぜいたくな生活に充てていたようです」(同前)

実は千葉被告の怪しい行状は「文春オンライン」が2019年に疑惑として報じており、ポニーキャニオンの執行役員から役員に昇格する前の監査で、aikoの会社役員を兼任していたことがバレ、諭旨解雇されていた。

「aikoは同社の看板アーティストだったので、千葉はやりたい放題。しかし取引先との過剰な癒着は利益相反です。スターを育てた裏方が、スター以上の振る舞いや派手な暮らしぶりになるのは巨額のお金を生む芸能界ではよくあること。昔は露骨にそんなことが横行していて、それが時代とともに少なくなってきたと思っていましたが、この手の犯罪はなくなりません」(音楽業界関係者)

千葉被告はaikoを囲い込み、自分を信じるよう巧妙に〝洗脳〟。こうした手法も芸能界では「あるある」ネタだ。彼女は裁判で「(自分は)被告の支配下にあり、音楽を続けられなくなるかもしれないと思い、聞けなかった」と証言した。

〝金のなる木〟に群がる悪い虫が駆逐されるのは、はたしていつになるのやら。 =月曜日掲載

■中村竜太郎(なかむら・りゅうたろう) ジャーナリスト。1964年1月19日生まれ。大学卒業後、会社員を経て、95年から文藝春秋「週刊文春」編集部で勤務。NHKプロデューサーの巨額横領事件やASKAの薬物疑惑など数多くのスクープを飛ばし、「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」の大賞受賞は3回と歴代最多。2014年末に独立。16年に著書「スクープ! 週刊文春エース記者の取材メモ」(文藝春秋)を出版。現在、「news イット!」(フジテレビ系)の金曜コメンテーターとして出演中。

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