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ニュース裏表 平井文夫 〝乱世〟の主役は石破首相・玉木代表・SNS選挙、2024年の政治重大ニュース 来年は巳年「成長」「変革」「復活と再生」の年に

zakzak by夕刊フジ 2024年12月26日 6時30分

年の暮れなので今日は「2024年の政治」を振り返ってみる。

1月、政治資金不記載事件で逮捕者も出て、岸田文雄首相(当時)は「岸田派解散」を決断した。麻生派以外は追随し、自民党の「崩壊」が始まった。

4月、衆院3補選で与党は全敗した。東京15区では、まだ政党要件も満たしていなかった日本保守党の候補が2万5000票取った。自民党が立憲民主党と共産党の連合軍に負けたことより、「自民党からの保守票の離反」の方が深刻だと思った。

7月、都知事選は小池百合子知事が「横綱相撲」で勝った。共産党の支援を受けた立憲民主党の蓮舫氏はまさかの3位と惨敗し、「立共」協力の難しさが浮き彫りになった。165万票を取って2位に入ったのはSNSを駆使した石丸伸二・前安芸高田市長で、SNSはその後の衆院選、兵庫知事選でも威力を発揮する。今年は「SNS選挙元年」であった。

8月、岸田首相が辞意表明。この頃から自民党はやることがすべて裏目に出る。

9月、自民党総裁選では、最初に小泉進次郎氏が大本命とみられたものの、すぐにコケてしまった。次に高市早苗氏が「初の女性宰相」かと盛り上がったが、最終的には岸田氏の意外な「推し」で石破茂氏が選ばれた。

総裁選は「失敗」だったと思う。理由は9人も立候補したため党員票を多く取れる人しか勝てない、ということになり前述の3人の戦いとなった。そして、小泉氏は「まだ無理」、高市氏は「何するかわからん」ということで、「引き算」で石破氏に。

岸田氏は「新しい顔なら総選挙に勝てる」と踏んで辞めたのに、新しい顔が決まった途端、勝てる気があまりしなくなった。

10月、衆院選で案の定、与党は惨敗した。理由は政治資金の問題とともに、保守層が自民党を離れたことだ。自民党は比例票を前回比300万票失ったが、その票はそのまま参政党と日本保守党に流れた。

11月、石破「少数与党」内閣が発足して現在に至る。議席4倍増の国民民主党と与党は「年収103万円の壁」について「178万円を目指して引き上げる」と幹事長間で合意したものの、なぜか自民党の税調会長が「123万円だけ」と言い出し、国民民主党は協議を離脱した(その後、一応復帰)。

自民党が巷間(こうかん)言われているように、壁は「123万円」のままで国民民主党を見捨てて、日本維新の会と「高校授業料無償化」で合意して来年度予算を通す、というのも来年7月の参院選のことを考えるとあり得ない。勝負は年明けに持ち越されることになる。

来年2025年は巳年(へびどし)だ。蛇は脱皮するので巳年は「成長」「変革」「復活と再生」の年とされており、なかなか縁起がよろしい。政治はこの国を成長、変革、再生してくれるだろうか。今年もご愛読ありがとうございました。 (フジテレビ客員解説委員)

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