皇室コメンテーター・高清水有子氏が緊急寄稿
秋篠宮ご夫妻の長男で、筑波大付属高3年の悠仁さまが来春、筑波大学の生命環境学群生物学類に進学される。おめでたいニュースの陰で、秋篠宮家をめぐってはバッシングとも取れる報道や発信が相次いでいる。秋篠宮さまは11月25日の記者会見で、「バッシング情報というよりも、いじめ的情報と感じるのではないか」と発言された。一連の報道や発信をどう見るか。石破茂首相はこれを放置するのか。皇室コメンテーターで、日本文化興隆財団理事の高清水有子氏が緊急寄稿した。
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反撃できない対象に対して攻撃を繰り返す行為、反撃しないからどんな攻撃をしても許されるという非常識な勘違い…。皇室に対して敬意の欠片もない一部メディア、一部の国民が堂々とバッシングをしている惨憺(さんたん)たる現状です。
昭和の時代から私たちは「開かれた皇室」という言葉を耳にしてきました。わが国が世界に誇る皇室に親しみを抱くことは良いでしょう。
しかし、昭和、平成、令和と歳月の経過とともに、「敬意」と「親しみ」のバランスが崩れた弊害が如実に表れているのが、昨今のゆがんだ皇室報道の現実です。
結論ありきの匿名報道、宮内庁幹部が国家公務員法で規定されている守秘義務違反の違法行為を犯してまで証言するでしょうか。違反と認識したうえで情報発信することも立派な罪です。
その延長線上に今度は、悠仁親王殿下の進学問題にまで、あれやこれや口出しをする始末。ご成年とはいえまだ18歳の高校生、受験生にとって大事な時期に〝反論できないお立場の方〟の進路を勝手に忖度(そんたく)して、(東大進学の)反対署名活動を展開するなど言語道断です。
外野が騒がしいなか、正々堂々と「合格」を手にされた悠仁親王殿下はご立派です。心よりお祝い申し上げます。
秋篠宮家に対して、ご長女の結婚に端を発し、「どんなにひどい表現で攻撃しても許されるんだ」というおかしな常識がまかり通っている現実は軌道修正が必要です。
天皇陛下もお誕生日会見で現状を憂えているお気持ちを数年間にわたって述べられています。それでも皇室バッシングを止めようとしないどころか、さらにエスカレートさせていった結果が「進路進学への余計な口出し」です。
2021年12月22日付で、内閣官房ホームページに公表されている報告(『天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する付帯決議』に関する有識者会議)には、「今上陛下から秋篠宮皇嗣殿下、次世代の悠仁親王殿下という皇位継承の流れをゆるがせにしてはならない」と記されています。
「ゆるがせにしてはならない」は、日本古来の大和言葉でなおざりにしない、おろそかにしないという強い決意が表れています。この流れを阻止するがための姑息(こそく)な方策による皇室への誹謗(ひぼう)中傷、嘘情報の羅列を放置することは得策ではありません。
ご参考までに、「国および国民統合の象徴」たる天皇以下、主たる皇族に対する名誉毀損(きそん)、侮辱の犯罪行為については、刑法第232条で「内閣総理大臣が代わって告訴を行う」とされています。
■高清水有子(たかしみず・ゆうこ) 皇室専門家、皇室コメンテーター。青森市出身。1989(平成元)年より、秋篠宮家を中心に日本テレビの情報番組で皇室取材を担当。元「日本テレビ皇室プロジェクト」メンバー。秋篠宮皇嗣同妃両殿下からの信頼も厚い。皇室専門家・皇室コメンテーターとして活躍する。公益財団法人「日本文化興隆財団」理事。著書に、『紀子さまの育児日記』(朝日出版社)、『秋篠宮さまと紀子さまの愛の十二章』(学習研究社)、 『悠仁さまへ』(学習研究社)、『美智子さまと清子さま』(ブックマン社)など。