Infoseek 楽天

中国が米大統領選で「スパム攻撃」 迫る総裁選、日本は〝防衛〟できるのか ネットで政治家中傷、世論誘導工作か

zakzak by夕刊フジ 2024年9月4日 11時50分

米大統領選に絡み、中国側がSNSで米政治家を中傷するなどして世論誘導を図る工作活動を行っている可能性があることが分かった。ロイター通信が3日、報じた。中国は軍事、非軍事を問わずあらゆる手段で攻撃する「超限戦」を仕掛けることで知られる。自民党総裁選が迫る日本も、中国から領空侵犯、領海侵入を受けているが〝防衛〟態勢は大丈夫なのか。

ロイターによると、工作活動はスパム(迷惑メッセージ)を拡散したり、世論誘導のため宣伝活動をネット上で展開したりする「スパムフラージュ」と呼ばれる手口で、中国国家当局が関与しているとみられる。ソーシャルメディア分析企業「グラフィカ」の調査で判明したという。

具体例では、X(旧ツイッター)で米国の反戦活動家になりすまし、ドナルド・トランプ前大統領に囚人服を着せて「詐欺師」と称し、ジョー・バイデン大統領を「臆病者」と呼ぶなどする画像や動画を拡散した。米国社会や政府を批判し、対立をあおる傾向があるようだ。

中国の世論工作などをめぐっては2019年と21年、カナダの総選挙に介入しようとした疑惑が明らかになっている。

カナダ政府が設置した調査委員会の初期報告書では、中国が「最も執拗で、高度な技術を持つ脅威」と結論付け、大勢に影響はなかったが「汚点だ」として政府に対策を求めた。報告書によると、21年の総選挙前、最大野党の党首が、中国との断交や、中国の通信アプリ禁止を検討しているなどの偽情報が出回った。

自民党総裁選や民主党代表選が行われ、早期の解散・総選挙も想定される日本は安全なのか。

経済安全保障アナリストの平井宏治氏は「世論工作などの『情報戦』は、中国の十八番(おはこ)だ。中国系動画アプリなどを通して中国に有利な情報を拡散するとともに、個人情報収集も進めているとされる。ネットだけで情報を集める国民が増えており、世論操作に注意が必要だ。LGBTや移民の当事者に『抑圧される被害者だ』と信じ込ませ、分断や対立を狙う『アイデンティティー戦略』も活発化している。特に選挙の時期は工作活動が強まる傾向があり、日本は軍事的な主権侵害とも合わせて十分な警戒が必要だ」と語った。

習国家主席㊧率いる中国は、米大統領選にも影響を及ぼすのか。写真は米共和党の党大会の様子(ロイター)

この記事の関連ニュース