今オフにも米大リーグ挑戦を希望するロッテ・佐々木朗希投手（22）をめぐりメジャー球団スカウトの心境は複雑だ。
佐々木は30日のソフトバンク戦（ZOZOマリン）に先発、7回3安打無失点に抑えて7勝目（4敗）を挙げた。この日は最速161キロの直球とスライダー、フォークを操り7奪三振。相手打者が直球狙いと見抜いた6回は、変化球で3者三振と配球を工夫し「点差もあって自分のペースで投げられた」と汗をぬぐった。
ネット裏にはこの日もカブスなど約10球団のスカウトが駆けつけたが、話題の的は佐々木をめぐる移籍報道だ。米紙「USA Today」の名物記者で知られるボブ・ナイチンゲール氏は現地時間18日に自身のSNSで佐々木が当初の予定から変更して来季も日本でプレーする可能性があると指摘。一方で同27日にはスポーツ専門局、ESPN記者のジェフ・パッサン氏が佐々木とロッテ球団の関係が悪化したとして「彼は再び退団を望んでいる」と真逆の情報が流れた。
ア・リーグ球団のスカウトは「私の仕事はいい投手の評価を正確に判定すること。獲得する、しないはまた別問題」と前置きしながらも、「いい選手だから仕方がないけど正直、気が気じゃないよ。雑談でもみんなこの話題になる。本人、ロッテ球団含めてどう方針を固めるのか早く表明してほしい」と本音もチラリ。新たな朗希狂騒曲に周囲はしばらく振り回されることになりそうだ。 （山戸英州）
ロッテ―ソフトバンク22回戦（ソフトバンク13勝8敗1分、18時、ZOZOマリンスタジアム、2万8794人）
ソフトバンク 000000002－2
ロッテ 02120100×－6
（勝） 佐々木14試合7勝4敗
〔敗〕 有原21試合11勝6敗
（本） 山川29号②（東妻）