U―NEXTで昨年公開された映画「プリシラ」の配信が始まりましたぞ。
音楽好きには、このタイトルだけでエルヴィス・プレスリーの奥さんを描いた映画なんだろうとすぐに察しがつくでしょう。
2022年10月にこの欄で「エルヴィス」という映画を取り上げたのを覚えておりますでしょうか？ エルヴィス・プレスリーの伝記的映画でした。あの映画の記憶がある人にとっては、エルヴィス側からと、プリシラ側からの両面から夫婦の関係を覗き見ることになるでしょうな。
14歳のプリシラは、世界が憧れるスーパースター・エルヴィスと出会い、恋に落ちます。そして彼女は両親の反対を押し切り、一緒に暮らし始めます。魅惑的な別世界に足を踏み入れたプリシラは、彼の色に染まり、そばにいることが彼女の全てだったのですが…。
監督はあのソフィア・コッポラ。出演はケイリー・スピーニー、ジェイコブ・エロルディ、ダグマーラ・ドミンスク、アリ・コーエンほか。
ご存知の通り、エルヴィスとプリシラは幸せな結末を迎えるわけではありません（これ、ネタバレではないぞ。歴史的事実）。だから、どう描くかが見どころ。
エルヴィスは10歳年下のプリシラに何でも買い与えます。でも、携帯電話がない時代だから自分の話したいときに家にいてほしいし、自分の望む以外のことをしてほしくない。精神的にはかなり束縛していくんですな。ただ、これはバズ・ラーマンの「エルヴィス」を見ているから言えるんですが、エルヴィスにはエルヴィスの言い分があるんです。それはエルヴィスのマネジャーであるパーカー大佐の存在。この人がとんでもない契約で追い込んでエルヴィスを束縛していっているのです。この人がいなければ日本公演だってあったと思うんですよね。
だから、2人の夫婦関係というのは、実に静かな悲劇、と言えます。
あと一つ。冒頭部分、主演のケイリー・スピーニーの可愛さったらない！ （立川志らべ）
※配信は予告なく終了している場合もあります