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石破茂氏、また「女系天皇」に言及 総裁選見据え「〝ちゃぶ台返し〟で自民党内を分断、日本のトップとして適任ではない」と識者

zakzak by夕刊フジ 2024年8月5日 11時52分

自民党の石破茂元幹事長は4日放送のインターネット番組で、安定的な皇位継承策をめぐり、「女系天皇」を排除しないとの認識を示した。世論調査で人気が高く、9月の党総裁選を見据えて「ポスト岸田」の有力候補とされる石破氏だが、女系天皇の容認は「皇統の断絶」につながると指摘する識者もいる。日本のリーダーとしての資質を問われそうだ。

「男系の女性天皇、女系の男性天皇の可能性を全部排除して議論するのはどうなのか」

石破氏は4日、秋篠宮家の長男、悠仁親王殿下までの皇位継承の流れは「絶対に動かしてはいけない」と強調したうえで、インターネット番組でこう語った。

「女系天皇」について、石破氏は最近、持論を展開している。6月18日のBSフジの番組でも、「男系優先に決まっているが、女系を完璧に否定していいのか」と含みを持たせる発言をしていた。

皇室典範では、「皇位は皇統に属する男系男子が継承する」と規定し、女性・女系天皇を認めていない。

そもそも、初代の神武天皇以来、天皇は例外なく男系だ。過去の女性天皇は「男系の女子」であり、次期天皇(=男系の男子)が幼少などの理由による中継ぎ役で、石破氏が言及した女系の男性天皇が即位したケースはない。

旧皇族の竹田家出身で明治天皇の玄孫(やしゃご)にあたる作家、竹田恒泰氏は2021年6月、大阪市で開催された大阪「正論」懇話会の講演会で、「もし女系天皇を認め、男系の血筋をひかない天皇が即位すれば『血統が途切れたのなら、もはや皇室は滅びた』と、天皇を認めない者が出るだろう」と指摘している。

自民党の保守系議員や、党支持者の間には「男系維持」を求める意見が強い。

麗澤大学の八木秀次教授(憲法学)は「皇位継承の議論について衆参でとりまとめようとしているなか、石破氏は『ちゃぶ台返し』をしているかたちに見える。世論調査の人気に乗った安易な発言で、『皇室の正統性』や『皇統の断絶』につながる根幹の問題にもかかわらず、十分に考察しているようには見えない。総裁選で『政争の具』にするつもりなら、自民党内を分断しかねない。日本のトップとして適任とはいえない」と語った。

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