通常国会最終盤ということで、私が担当するニッポン放送のニュース番組「飯田浩司のOK!Cozy up!」(月~金曜午前6―8時)では現在、与野党幹部の生出演企画をお送りしています。
先週の10日、公明党の石井啓一幹事長からスタートし、11日は国民民主党の玉木雄一郎代表、12日は立憲民主党の泉健太代表、13日は日本維新の会の馬場伸幸代表に出演いただきました。連日のインタビューで感じたのは「隙間風」でした。
まずは、党内での隙間風。これは東京都知事選に出馬表明している蓮舫参院議員について話す、立憲民主党の泉代表の言葉に感じました。
都知事選は20日告示、7月7日投開票です。蓮舫氏は11日、立憲民主党に離党届を提出しました。共産党は「全力支援」を表明しており、蓮舫氏の顔写真と名前、政策を載せた紹介ビラまで制作・配布する臨戦態勢です。
翌12日の番組で「このままでは立民色が薄まるのでは?」と水を向けると、泉代表は「もう蓮舫さん、昨日離党しましたからね。立憲民主党の人でもなくなった」「今回の都知事選は『どの党が』ということは、あまりないと思います。まさに、『蓮舫対小池(百合子都知事)』というかたちになっていくのではないですか」と語りました。
党派色を薄める戦略なのか。立憲民主党として蓮舫氏に推薦を出さない可能性も、泉代表は「十分あり得る」と断言しました。身内ながら、随分と隙間風を感じます。
続いて、日本維新の会の馬場代表は、政治資金規正法改正で岸田文雄首相と合意した文書について憤激していました。維新の藤田文武幹事長が折衝した際、自民党側が「首相が改革すると言っている。信用してくれ」と言われたので期日を削ったそうです。
そして、「われわれは期日を入れるように何度も主張したが、『自民党の中では完全に(今国会での調査研究広報滞在費=旧文通費=の使途公開などは)オーソライズ(承認)されている』と話したそうだ」と発言。折衝相手は首相側近とまで語りました。自・維間は隙間風どころか、信頼関係が崩れているのではないかと感じました。
さらに興味深かったのは公明党の石井幹事長です。
最近の衆院補選や地方首長選で自民党支援候補が負け続けていることを、公明党の山口那津男代表が「政治資金規正法改正でグズグズしていたからだ」と突き放したように、もともと隙間風が吹きがちでした。
石井幹事長も番組で、「岸田政権ならではの党内の意見集約ということもあるが、首相の決断が最終盤に及ぶことも多いので、もう少し早く決断していただきたい。ハラハラして見ている」と苦言を呈していました。
事ほどさように、あちこちで吹く隙間風。これが「新たな政界再編」のつむじ風になるのか? 自民党はこの風をどう受け止めるのか?
今週20日には「岸田政権のキーマン」ともいわれる自民党の木原誠二幹事長代理が生登場します。ぜひお聴きください!
■飯田浩司(いいだ・こうじ) 1981年、神奈川県生まれ。2004年、横浜国立大学卒業後、ニッポン放送にアナウンサーとして入社。ニュース番組のパーソナリティーとして、政治・経済から国際問題まで取材する。現在、「飯田浩司のOK!Cozy up!」(月~金曜朝6―8時)を担当。趣味は野球観戦(阪神ファン)、鉄道・飛行機鑑賞、競馬、読書など。