Infoseek 楽天

テレビ用語の基礎知識 「求められる民主主義のリーダーはゴリラ」TBSサンモニの「風をよむ」でまさに〝吹いた〟膳場さんも詰まったアバンギャルドさに爆笑

zakzak by夕刊フジ 2024年9月5日 6時30分

この記事を紹介した、ある番組で「鎮目博道さんはいつもテレビの悪口を言っている。よっぽどテレ朝でつらい目にあったんじゃないか」と盛り上がっていたみたいです。

うーん、そんなに別にテレ朝で嫌な目にあったわけじゃないけどな…。このコラムが「辛口なテレビ批評を書くコラム」だからこんな感じなだけで。よく「文章を読むと怖い人かと思ってましたけど、実際に会うとイメージが違いますよね」と言われますし、どっちかというと、いつもニコニコしてますけどね。

というわけで、悪口ばかりだと良くないかなと思ったので、最近見て面白くてゲラゲラ笑った番組を紹介しますね。意外な番組なのですが、先月25日放送のTBS「サンデーモーニング」の「風をよむ」のコーナーが斬新&面白すぎました。

「風をよむ」といえば、世相を鋭く斬る感じの「超絶真面目なコーナー」だと思っていたのですが、25日の回はまさに「吹いた」という感じでした。

今年は選挙の年で、アメリカのバイデンさんも日本の岸田さんも交代しますし、「民主主義に求められるリーダーは」というテーマだったのですが、なんとその結論が「求められる民主主義のリーダーはゴリラである」という、斜め上どころか真上ぐらいのアバンギャルドなものだったのです。

対して「専制主義的で良くないリーダーはニホンザルだ」と学者の先生がなんだか真面目に語っている。ゴリラはみんなに信頼される「リーダー」だが、ニホンザルは力が強いヤツが権力を握る「ボス」だから良くない、と。

ゴリラのリーダーは「言葉を発しないが、背中がシルバーだから、その背中にみんながついていく」のだそうで、こうしたゴリラに学ぶことは大きいのではないか、というVTR。あまりの斬新さに、膳場さんもナレーションを読みながら詰まったり、言い間違えが目立ちました。

思いがけず悪く言われ、被弾してしまったニホンザルがかわいそうだなと思いましたが、それより「選挙でゴリラに学べ」と言われてスタジオはどうするのだろう? と注目していると、コメンテーターの皆さんもなかなか悩ましいご様子。

「ゴリラのリーダーは男性ばかりだが、人間はそれではいけない」とか「背中で分からせるのではなく、多様な声を聞く力が必要」とか、「そりゃゴリラと比べるからでしょ」という苦しいコメント続出でした。

なんだったんだろあの特集? でも面白かったです笑いました。あ…結局悪口みたいになってしまった。

■鎮目博道(しずめ・ひろみち) テレビプロデューサー。1992年、テレビ朝日入社。「スーパーJチャンネル」「報道ステーション」などのプロデューサーを経て、ABEMAの立ち上げに参画。「AbemaPrime」「Wの悲喜劇」などを企画・プロデュース。2019年8月に独立。新著『腐ったテレビに誰がした? 「中の人」による検証と考察』(光文社)が発売中。

この記事の関連ニュース