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令和を変える!関西の発想力 ロケットに続け!「東大阪ブランド」の新商品を次々と発射 紙製ハンガー、子育て用品など高度な技術を生かし

zakzak by夕刊フジ 2024年10月11日 11時0分

東大阪市といえばロケット。そう連想する人は少なくないでしょう。2009年、東大阪市の町工場が集まって人工衛星「まいど1号」をつくり、種子島宇宙センターから打ち上げたエピソードは大きな話題になりました。

あれから15年。再び東大阪市の町工場が集まって、今度は個々の技術を生かした個人向け商品をつくり始めました。そして先日、「東大阪ブランド」を冠して、大阪の近鉄百貨店でイベント販売するに至りました。

もちろん店頭に並べたのは、日頃製造している部品ではなく、個々の技術を生かした個人向け商品。プラスチックと同じ強度をもつ紙製ハンガーや、手持ちの土鍋がIHで使用できるようになる釜戸など、高度な技術を生かした商品ばかりです。

この活動をリードするのは、長年大企業対象に雑貨を製造販売してきた「カワキタ」の河北一朗社長。「今は自分で自分をアピールしないと生き残れない時代です。町工場も大企業の下請けに甘んじていたら生き残れません。それで、社名と技術を広く知っていただこうと個人向け商品を作って百貨店で販売しました」と町工場がみずからPRする重要性を説きます。

確かにここ数年、インターネットとSNSの急速な普及で、人々の情報の受け取り方が一変しました。企業情報の場合、たとえ業績が良くても、ネット検索で口コミやメディアの記事がヒットしない会社は、社会から相手にされていない、つまり信用できない会社と見なされてしまいます。

そんな状況に危機感を覚えた河北社長は「何もしなければ人材も採用できず、顧客も離れてしまいます。とはいえ、いきなり社名を出しても覚えてもらえないので、まずは東大阪ブランドを冠して、さまざまな商品を世に出していきます」と言います。

ちなみに河北社長が個人向けに販売しているのは、自社の技術を生かした「ノルンマーニ」という子育て用品。一見、オシャレな肩掛けバッグですが、子供を抱く時には抱っこ紐に様変わりするという優れもので、来年の「大阪・関西万博」には、さらに進化させて「抱っこするだけで子供の健康状態が把握できる」商品を出展するそうです。

また地元では、町工場を応援するために、東大阪市役所1階に町工場のPRコーナーが設置されました。どうやら東大阪市は官民とも熱意と元気はロケット級。次は何を発射してくれるか、楽しみです。 (地域ブランド戦略家・殿村美樹)

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