11月の国際大会「プレミア12」で連覇を目指す野球日本代表で先発投手陣3本柱として期待される才木浩人投手(25)=阪神=は米大リーグ・ドジャースの大谷翔平投手(30)に浴びた異次元の一発が転機になったと語る。
10月31日、宮崎市での代表合宿で才木はブルペンで30球。「状態を確かめながらという感じですけど、まずまず」と余裕の表情で、ブルペンで視察した井端弘和監督(48)と投球後に10分ほど話し込んだ。
高橋(中日)、戸郷(巨人)と並んで柱の1人として才木に期待する井端監督は「本人が『分岐点になった』と話していた。あの悔しさは今でもあると」とブルペンでの会話の一端を明かした。
指揮官が振り返ったのは、昨年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)前に行われた日本代表と阪神の強化試合(京セラドーム大阪)で才木が大谷に被弾した衝撃の一発のこと。完璧に決まったはずのフォークを左ひざを地面につきながらバックスクリーンまで運ばれた。
「あそこからもっといいボールを投げられるようにというきっかけになった。自分は球界最高の投手になるんだという気持ちでやっているので」と才木。世界最高の打者を抑えるための課題を突き付けられ、乗り越えるための研鑽が今季の飛躍に、そして日本代表入りにつながった。
「次のWBCで一緒に入ってくれたらいいなと思いますね」と井端監督。この日、ワールドシリーズを制した大谷と、2026年大会で共闘となるか。 (片岡将)