高市早苗前経済安保相の〝再始動〟が注目されている。今月、自民党「治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会」の会長として「闇バイト」強盗の殲滅(せんめつ)を主導する一方、地方での講演活動も再開したのだ。石破茂政権の〝外交失態〟や〝政策論の欠如〟に厳しい視線が注がれているが、高市氏の動きは、国民の「政治不信」「自民党不信」の払拭につながるのか。
「命に関わるような事件が次々に起きている。警察がさまざまな捜査手法を使えるようにしたい」
高市氏は25日、長野県松本市での講演でこう語り、深刻な社会問題となっている「闇バイト」強盗の阻止に本腰を入れる姿勢を強調した。
講演では、警察による通信傍受など捜査手法の強化や、警察官が身分を秘匿して関係者と接触する「仮装身分捜査」の導入を検討すべきだという考えを示した。
こうした捜査手法は、憲法が定める「通信の秘密」や、個人のプライバシーとの兼ね合いが争点になる。仮装身分捜査は原則、日本の法体系では禁じられているが、他のG7(先進7カ国)ではスパイやテロ対策なども念頭に認められている。
高市氏は調査会の初会合(21日)でも、「国民の命と財産をしっかり守り抜くという考えの下、進めていきたい」と決意を語っていた。この日の講演でも、「本当にできないか、よく議論しないといけない」と訴えた。
調査会は今後、インターネット上で「世論工作」「偽情報の流布」を画策する「サイバープロパガンダ」対策も検討する。
高市氏は25日、自身のX(旧ツイッター)でも気になる発信をした。
「衆院選の直後は心が折れていましたが、やはり、『自民党の一員として、微力でも党勢回復に貢献できたら…』と、気を取り直して、先週から地方講演を再開しました」
「今日は、長野県で講演。先月の衆院選で残念ながら落選した2名の前議員へのお力添えをお願いする機会になりました。又、コツコツと頑張ります」
石破自民党への大逆風を吹き飛ばせるのか。