がん治療の選択肢の1つである「免疫チェックポイント阻害薬(ICI)」が国内承認を受けて今年で10年の節目に当たることから、小野薬品工業(大阪市中央区)とブリストル・マイヤーズ スクイブ(東京都千代田区)は、同療法の現状評価に関するメディアセミナーを7月24日、都内で開催した。
都内でメディアセミナー
セミナーには小野薬品工業の高井信治執行役員・メディカルアフェアーズ統括部長が登壇。がん治療に携わる医師100人とがん患者900人を対象にしたICIを用いたがん免疫療法に関する調査結果が報告された。
それによると、医師の約9割がICIを新たながん治療の選択肢として評価しており、今後期待することとして約5割が「治療効果の向上」を挙げたという。また、がんの免疫療法と称するエビデンスのない情報や医療行為に対し、約4割の医師が「厳格な監査・措置が必要」と考えていることもわかった。
患者の半数が「治療効果の向上」「生活の質の維持」に期待
患者の調査では、ICI使用経験のある患者の約7割が「治療の選択肢が増えてうれしい」と回答。「がん患者にもっと広く知られて欲しい」という回答も約7割に上った。
さらにICI使用経験の有無にかかわらず患者の約半数が「治療効果の向上」や「生活の質の維持」に期待を寄せていることが明らかになった。
続いて、近畿大学医学部内科学腫瘍内科部門の林秀敏主任教授が免疫チェックポイント阻害薬ががん治療に与えたインパクトについて講演。NPO法人がんノートの岸田徹代表理事とがん患者2人による座談会も行われ、ICIを用いたがん免疫療法の理解がさらに広がることへの期待が語られた。