1985年には、後にシリーズ化され、大ヒット作となる、2つのタイムスリップ映画の第1作がそれぞれ日本で公開されている。
それが12月7日公開の「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(以下BTTF、ロバート・ゼメキス監督)と、5月25日公開の「ターミネーター」(ジェームズ・キャメロン監督)だ。
「BTTF」の主人公マーティーを演じたマイケル・J・フォックス(63)は現在はパーキンソン病のため、第一線は退いているが、この病の研究助成活動を行う財団を設立するなど社会貢献を続けている。
一方、「ターミネーター」の主役ともいえるT―800を演じたアーノルド・シュワルツェネッガーは〝シュワちゃん〟として日本でも人気を集め、2003年から11年までカリフォルニア州知事を務めたことでも知られる。
それだけ米国でも大きな影響を与えた2作だ。「BTTF」は1989年12月に「Part2」が、90年7月に「Part3」が公開されている。1作目の舞台は1955年だったが、2作目では2015年、3作目は1885年とこれはもうアイデア勝ち。
特に2作目では3D作品の「ジョーズ19」や自動で靴ひもをしめてくれる「ナイキシューズ」、空中に浮く「ホバーボード」といった未来アイテムが数多く登場する。改めて今、見直して何が実現して、何が実現していないかと確かめるのも面白いだろう。
そして何といっても、映画から人気が爆発したのが「デロリアン」だ。ジョルジェット・ジウジアーロがデザインしたガルウイング型のスポーツカーは1981~82年に製造されたが、その年にメーカーが破産し、このため現在は6000台ほどしか現存しておらず、貴重なアイテムとなっている。映画評論家の有村昆氏が一時所有していたことでもしられる。
一方、「ターミネーター」は91年8月に「2」が公開されている。第1作の興行収入は9・6億円だったが、「2」は87・9億円の大ヒット。敵役だったT―800が味方となったことで〝シュワちゃん〟人気に火が付き、まさに出世作となった。 =おわり
■バック・トゥ・ザ・フューチャー 日本公開は1985年12月7日。主題歌はヒューイ・ルイス&ザ・ニュースの「パワー・オブ・ラブ」。