テレビ東京が2人の女性アナウンサーを即戦力として中途採用したことが話題を集めている。年々熾烈になっている女性フリーアナ業界にも、新たな展開が起きるかもしれない試みなのだ。
テレビ東京の石川一郎社長は10月3日、定例会見で、嶺百花(みね・ももか)アナと山本倖千恵(やまもと・さちえ)アナが同月1日付で中途入社したことを発表した。
嶺アナは青山学院大学在学中に「THE TIME,」(TBS系)のお天気キャスターとして活躍し、「好きなお天気キャスター」アンケートで1位に輝いたこともある逸材。証券会社に入社したため、番組を卒業したが、テレ東でアナウンサーとして復帰した。
一方、山本アナはインターハイの個人種目で陸上女子800メートルに出場し、4×400メートルリレーで全国3位になった経歴を持ち、山形放送の局アナとして活躍していた。
テレ東といえば、近年は鷲見玲奈アナや森香澄アナ、さらに今年に入って福田典子アナ、須黒清華アナ、松丸友紀アナ、池谷実悠アナが相次いで局を離れるという退社ラッシュが起きている。
それだけに2人は即戦力としての中途採用というわけだが、放送作家はこう語る。
「民放キー局では、アナウンサーは新卒を対象とした採用試験を経て4月入社で採用するのが〝基本〟ですが、テレ東はこれまでも福田アナや竹崎由佳アナのように他局の局アナを採用する実績がありますからね。本来なら局アナが減った部分は外部のフリーアナで穴埋めしようとするところですが、局アナを採用することで経費を抑えようとしているのはテレ東らしさでしょうか」
今回のテレ東の試みが今後、他の民放キー局にも波及する可能性はあるのだろうか。
「どこの局もテレビ不況の影響などもあり、『昔みたいにじっくりと時間をかけて新人アナを育てる余裕はない』という声をよく耳にします。どこも即戦力を求めていることは、元『乃木坂46』の市來玲奈アナ(日本テレビ)や斎藤ちはるアナ(テレビ朝日)、元『櫻坂46』の原田葵アナ(フジテレビ)のように芸能活動の経験がある女性を〝新人〟として採用していることでも分かります。その意味でもテレ東の戦略を他局が追随する可能性は十分あるでしょう」(前出の放送作家)
局アナの中途採用が当たり前になる時代が来るかもしれない。