女性芸人の日本一を決める「女芸人No.1決定戦 THE W 2024」で8代目女王に輝いたのは、結成12年目のコンビ、にぼしいわしだった。「THE W」は何かと批判の多い大会だが、今後の活躍が期待される若手の台頭もあり、さらなる可能性が感じられる結果となった。
2年ぶり4度目の決勝進出で頂点に立ったにぼしいわしは、香空にぼし(32)と伽説いわし(32)の同級生コンビ。高校生対象のお笑いイベントで頭角を現し、大阪NSCを経てプロの道に入るが、現在はフリーで活動している。
演芸評論家の高山和久氏は「にぼしのローテンポなしゃべりをいわしが引っ張っていく漫才で、(決勝戦Aブロックでは)女性目線のあるある感が出て共感性の高いネタだった。優勝したいという気迫がすごかった」と評価する。
しかし今回、最終決戦に残った3組とも下ネタをからめたネタだった。にぼしいわしは「アイドルはう〇こをしない」、紺野ぶるまは「タマキンと呼んで」、忠犬立ハチ高は「ロケットおっぱい」といった具合だ。
高山氏は「裸が男性芸人の最終兵器のように、下ネタが女性芸人の最終兵器なのか」とするが「結局、下ネタに逃げたと思われ、『THE W』の格を下げかねない。非常に残念」という放送関係者も。
それでも、今回は期待の新星が現れた。結成4年目ながら最終決戦に残った、忠犬立ハチ高だ。こちらも高校の同級生コンビで、ノムラフッソ(27)は山梨大学医学部卒業で医師免許を持ち、王坂(27)は上智大学文学部卒業の高学歴という異色の2人。
高山氏は「決勝Cブロックでは国会答弁をテーマにしたコント。ネタの構成がよくできていて、演技力も抜群。最終決戦の官能小説をテーマにした漫才も、サンドウィッチマンのネタを思い出した。優勝は譲ったが、確かな手応えを感じたはずだ。この2組は将来、M―1のてっぺんも見えてくるのではないか」と話している。