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凄腕アナリスト ザ・覆面 通信工事大手「ミライト・ワン」最高値更新へ始動 データセンター関連の材料内包 3期ぶり増益転換でPBR1倍回復目指す

zakzak by夕刊フジ 2024年7月3日 15時30分

日経平均は6月26日に5月から続くボックス相場の上限である3万9437円16銭を上抜いた。週間チャートでは上昇する26週移動平均線と13週移動平均線とのかい離が縮小し、テクニカル的には煮詰まり感が強まってきている。

ただ、米国ナスダック上場の生成AI(人工知能)半導体大手エヌビディアの株価動向が、市場のセンチメントを左右している。

6月最終週にバリュー株浮上のけん引役となった配当再投資がピークを通過し、目先の東京市場は手掛かり難の展開となりそうだ。

また、来週前半はETF(上場投資信託)による分配金確保の売りが想定されており、7月相場は波乱の展開となる懸念もある。3月期決算企業の第1四半期(4~6月)決算発表は23日のニデックから本格化するため、それまでは個別材料株が物色の中心となってくることが見込まれる。

NTT向けを中心とする通信工事大手「ミライト・ワン」(1417)が2021年9月の上場来高値2403円の更新に向けて動き出している。

現状の株価水準は2100円前後とやや高めだが、東証プライム上場銘柄でPBR(株価純資産倍率)は1倍割れの0・7倍台にとどまり、PER(株価収益率)は10倍台。前期比10円増に増額された年間配当予想75円(うち第2四半期末配当は35円予想)から見た配当利回りは3・5%あり、株価指標面の見直し余地だけでも一段高の可能性を秘めている。

また、自己株式を除く発行済み総株式数の1・63%に当たる150万株、取得金額20億円をそれぞれ上限とする自社株買いを推進中。5月14日から31日までの自社株買い発表後の最初の買い付けで23万4500株、取得金額4億4029万円強を実際に買い付けており、その買い余地はまだ十分に残され、9月30日の取得期限まで株価を下支えしてくる。

今25年3月期連結業績予想は、売上高5700億円(前期比10%増)、営業利益270億円(同54・4%増)、経常利益280億円(同49・8%増)、当期利益180億円(同43・6%増)で、変化率を伴う各利益は3期ぶりの増益に転換計画となっており、収益面での買い安心感もある。

5月末には環境機器と住宅機器を手掛ける東証スタンダードのダイキアクシスや、GPU(画像処理装置)サーバーの分散処理技術を持つベンチャー企業と組み、グリーンデータセンターの開発・事業展開を共同で推進することが発表され、物色テーマとして人気のデータセンター関連の切り口も意識される追い風も加わった。目先の目標となる最高値2403円を通過後は、PBR1倍を回復する株価水準である2735円が意識される展開となってくるだろう。

また、国内大手証券は6月13日付けで目標株価を3000円に引き上げており、値幅取り人気も高まってきそうだ。

■ザ・覆面(ざ・ふくめん) 金融業界では知る人ぞ知るベテラン。株式の分析と着眼点の鋭さに定評がある。名を出せばハレーションが大きいため、覆面で参戦。

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