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勝者のワザ ロングパットはカップインを狙わない? アマチュアゴルファーに2つの考え方 エビアン選手権優勝・古江彩佳

zakzak by夕刊フジ 2024年7月20日 15時0分

それは、メジャー大会であるエビアン選手権の最終日バックナインに入って14番ホールから始まった。古江彩佳の猛烈な追い上げである。

14番では10メートルのバーディーパットが決まった。ほとんどストレートラインに見えて最後に急激に左に曲がるラインだった。これを一発で沈めると、続く15番では、さらに長い15メートルはあろうかというロングパットをカップ真ん中から決めて連続バーディー。16番もチャンスにつけて3連続バーディーを奪って首位戦線に急浮上した。そして、17アンダーパーでトップに並んで迎えた最終18番パー5ホールでは、池越えのグリーンを第2打でとらえ、イーグルパットを強めにヒットしてウイニングパットとしてみせた。

アマチュアゴルファーの場合、ロングパットに臨んでふたつの考え方がある。ひとつは、距離感を優先させて、ファーストパットをカップ近くに寄せておく。という考え方だ。距離感が合わないと、次に難しいパットが残って3パットの危険性がある。だから確実に2パットでおさめようとする安全策といえる。

もうひとつは、せっかくグリーンオンできたのだから、何がなんでも1パットで決めてみせると積極的にカップインを狙うという考え方である。

グリーンに乗ったら、どこからでも1パットを狙っていく。これは、トッププロの思考ともいえる。USPGAツアーでは、ロングパットが次々ときまっていくシーンが映し出される。グリーンのスピード把握とラインの読みのふたつが合致して1パットが実現する。

それには、普段からの練習が大切だ。練習グリーンで端から端までの距離を転がすことがあるだろうか。ほとんどが2~3メートル。長くても5~6メートルの距離を重点的に練習していたのではないか。いざ10メートル以上のパットとなったときにはたしてどのくらいのストローク幅、強さでヒットしたらいいのかわからなくなってしまう。

ロングパットでもカップインを狙う習慣をつけておくと、コースに出たとき、1パットの確率が高くなる。ストレートなラインばかりでなく、曲がるラインも練習しておき、タッチだけでなく、どこでどれほど曲がってカップに到達するかをボールの転がりをイメージして、それが明確になったところでアドレスし、ストロークする習慣をつけておこう。

■古江彩佳(ふるえ・あやか) 2000年5月27日生まれ。神戸市出身。母ひとみさんの影響で3歳からゴルフを始める。滝川二高時代は同級生の安田祐香らと団体戦で全国制覇2度。17、18年JGAナショナルチームメンバー。19年10月の「富士通レディース」でアマチュア優勝を果たしてプロ転向。21、22年「富士通レディース」など日本ツアー8勝。22年から米ツアーに参戦し、同年7月の「スコットランドオープン」で初優勝。153センチ。

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