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岡田監督「電撃勇退」の舞台裏 「千載一遇のチャンス…」阪神側への人事権の〝逆〟大政奉還 後任候補に藤川球児SAが急浮上

zakzak by夕刊フジ 2024年10月4日 11時24分

大逆転アレンパを目指す阪神が、クライマックスシリーズ(CS)を前に大揺れだ。昨季日本一を達成した岡田彰布監督(66)が今季限りで電撃勇退し、次期監督候補に生え抜き大物OBの藤川球児氏(44=球団本部付スペシャルアシスタント)が浮上していることが判明。岡田監督は2年契約の最終年ながら来季の続投に意欲を示していた…はずだったが、一体どうしてこうなったのか。舞台裏を探ってみると…。 (岩﨑正範)

球団社長は〝ゼロ回答〟

3日はクライマックスシリーズ(CS)ファーストで激突するDeNAとの今季最終戦。この試合前、報道陣の取材に応じた粟井球団社長は「(一部の)報道は出ていますけど、現時点では申し訳ないけどお答えすることはございません。CSを勝ち抜いて日本シリーズを勝ちたい。戦いが終われば間違いなく公表させていただきます」の〝ゼロ回答〟で明言を避けた。しかし、水面下では球団創立90周年を迎える来季の次期監督の選定作業に着手。球団幹部の話を総合すると、岡田監督は2位が確定した9月29日に杉山オーナーら球団幹部と会談し「今季限りで退任しフロントの要職を用意する。後任には藤川氏」で〝落着〟したという。

いくら2年契約の最終年とはいえ、昨季は18年ぶりのリーグ優勝&38年ぶりの日本一を達成、今季惜しくも2位と善戦した岡田監督の来季続投は基本線で、当の本人も今オフのドラフト構想も漏らすなど前向きとみられていた。ところが、今季限りで勇退とは一体…。

阪神電鉄本社幹部の一人は「今から2年前、岡田監督を強く推した阪急阪神ホールディングスの角(和夫)会長が話した『契約の2年間だけはこっちの言うことを聞いてもらいたい』の文言が大きかった」と説明。別の幹部も「つまりは2年たったら後の監督人事は阪神にお任せする、というもの。ウチにとっては人事権が戻る千載一遇のチャンス。この機会をまた忖度して逃したら、それこそ本当に〝阪急タイガース〟と化してしまう。それを避けるためには監督交代しかなかった」というように、舞台裏で主導権争いが繰り広げられていた。〝阪急色〟のある日本一監督の来季への意欲、契約延長よりも阪神球団としては人事権を返還してもらうことこそが、最優先で重要だったのだ。組織図からすると「〝逆〟大政奉還」とでも言うべきだろうか。

その来る日のために阪神の現フロント首脳は〝ポスト岡田〟として信頼を集める藤川氏を、次期監督候補の切り札として用意。今さら説明するまでもなく、日米通算245セーブを挙げた〝火の玉守護神〟で、ファン人気も絶大だ。指導者経験がないなど心配な点もあるが、そんな悠長なことは言ってられない。藤川氏ほど「大政奉還タイガース」のイメージにピッタリの人材はいないだろう。

そんな藤川氏には阪急阪神HDの角会長も〝事前調査〟を済ませている。球界関係者の一人は「夏の終わりの頃に角会長は藤川氏と親交ある球界の大物OBとゴルフコンペに参加。その場で『君から見て藤川君は1軍監督ができるかどうか、意見を聞かせてくれないか』と尋ねたそうです。また、当の藤川氏と一緒にゴルフをしていた、との情報もある。独自でリサーチしていたんでしょう」と仰天情報を明かす。

一方、今季限りで電撃勇退を余儀なくされた格好の岡田監督は終始不機嫌モード。最終戦に勝ってもこの日は取材に応じることはなかったが、チーム内には動揺が広がった。あるナインは「岡田監督がかわいそうな気もする。2年続けてすごい結果を残した人なのに…」と疑問視。来るCSを前に監督の交代劇が明るみに出てしまい、大逆転アレンパどころではなくなってきた。

岡田監督は前政権の2008年にV逸し、CS前に辞意表明。第1ステージで3位の中日と対戦し、第3戦でくしくも藤川氏が決勝打を浴びて敗退したが、その二の舞だけは避けなければいけない。

DeNA―阪神25回戦(阪神13勝11敗1分、18時、横浜、3万3761人)

阪神 000030000-3

DeNA 000000100-1

(勝) 大竹24試合11勝7敗

(S) 石井56試合4勝1敗1S

〔敗〕 ケイ24試合6勝9敗

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