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勝者のワザ 佐藤心結のプロの技、リスク承知で「ラインを消す」強気のパッティング スタンレーレディス優勝

zakzak by夕刊フジ 2024年10月12日 15時0分

スタート前の練習グリーン。あるいは、ラウンド後のパッティング練習で、どんなことを意識しているだろうか。スタンレーレディスでプロ初優勝を果たした佐藤の練習方法を見ると、面白いことに気がついた。例えば5メートルほどの距離でカップインを狙うのに、いくつかの強さで打ち分けている。強めにヒットしてボールをカップに飛び込ませるようにする。逆に最後のひと転がりでカップにぽとりと落とす。

パッティングの基本は、ラインを読み、転がりのスピードをイメージしてタッチを合わせるようにすることではあるが、実は、それだけではなく、プロは、状況に応じて、もう少し奥の深いところでストロークと狙いを決めている。

ちょっと右に切れそうなラインであったり、逆に左に切れそうなライン、あるいはどちらかに曲がりそうではあるが、読み切れない微妙なライン…。迷いや、不安があるとストロークが弱くなってショートすることが多くなる。こんなときは、考えがまとまるか、どこに打っていくか決断できるまでアドレスに入らない方がいい。構えてからモジモジしているアマチュアゴルファーをときどき見かけるが、まずカップインできないことが多い。「構えたら3秒以内に打つ」というのも、パッティングの基本である。

よほどの傾斜でない限り、打ち出したボールに勢いがあるうちは、それほど大きくは曲がらずにまっすぐ転がる。曲がるのは、スピードが落ちてからだ。カップ手前50センチあたりからであろうか。だから大まかなラインを読んで、最後にカップ周りの傾斜を入念にチェックする。これは、安全策で、もし入らなくても、次はストレスなくタップインできるところで止まるようにするために大切な観察になる。

「絶対に一発で決めたい」という状況では、まっすぐ、強めにヒットする」「曲がりだす前にカップインさせてしまおう」というパットもある。決まらなければ2メートルもオーバーしそうなほどしっかりストロークする。これを「ラインを消して打つ」という。リスク承知の強気パッティングだ。

こういったことを考え、決断することが大切で、練習グリーンでもさまざまな状況を想定し、イメージしてストロークすることで3パットを減少させ、バーディー奪取確率を高めるのがプロの技。パッティング練習の際の心得である。

■佐藤心結(さとう・みゆ) 2003年7月21日生まれ、21歳。小田原市出身。明秀日立高卒。7歳からゴルフを始める。21年11月の最終プロテストに一発合格。昨季メルセデスランキング39位。得意クラブはドライバー。名前の由来は「いろんな人とつながれるように」。家族は両親と兄。161センチ。

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