セ・リーグ優勝の巨人は18日、クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第3戦(東京ドーム)に1―2で敗れて3連敗。シーズンで完封負けの球団ワースト記録を大幅に更新したチームは主砲の岡本和真内野手(28)が勝負を避けられると機能不全に陥る弱点をモロに露呈した。
「粘っていたんだけどね。あとはもう、意地を見ましょう」。試合後の阿部慎之助監督(45)はそう言葉を残すと会見を15秒で打ち切った。
2019年以来、5年ぶりの本拠地CSファイナル(20年は新型コロナの影響でセ・リーグCSは開催されず)に選手たちが萎縮してしまったのか、初戦から0―2、1―2、1―2と3戦合計でわずか2得点。その2点はともに岡本の打点だ。
この日の岡本は2回先頭で打席に立つと2球目の146キロを振り抜き、左翼席上段に高々と放物線を描いた。だが、その後の3回1死二、三塁と8回2死二塁ではともに申告敬遠で歩かされ、続く5番大城が牧の好守にはばまれるなど、相手の狙い通りに封じられた。
シーズンでも岡本の後を打つ5番打者はのべ12選手が起用されたが、固定には至らず、攻撃面の課題として残り続けたが、短期決戦で露呈。全試合で4番を張った大砲への依存度の高さをDeNAに突かれた格好だ。
それでも、一人気を吐く主砲は「まだ決まったわけじゃない。最後まで何があるか分からないですから。頑張ります」と必死に前を向く。
今オフのポスティングシステムを利用してのメジャー挑戦も取り沙汰されてきたが、今季のチームで20本塁打以上も、50打点以上も記録したのは岡本のみ。球団関係者は「和真を出したら来年のチームは本当に終わる。この体たらくをみたらそんな余裕がないことくらい分かるでしょ」と声を荒らげた。岡本の夢にも暗雲が垂れ込めている。 (片岡将)
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巨人―DeNA第3戦(DeNA3勝、18時、東京ドーム、4万2180人)
DeNA 000110000-2
巨人 010000000-1
(勝) 佐々木1試合1勝
(S) 森原2試合2S
〔敗〕 赤星2試合1敗
(本) 岡本和1号①(吉野)、オースティン2号①(グリフィン)