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ニッポン放送・飯田浩司のそこまで言うか! 国民民主・玉木代表の不倫問題 「評価の軸はそこではない」これまでの醜聞と違うネット上の展開「もうウンザリ」からの叱咤激励

zakzak by夕刊フジ 2024年11月20日 15時30分

国民民主党の玉木雄一郎代表の不倫スキャンダルが、特別国会が召集された先週11日(月曜)、世に出ました。週刊誌のウェブ版記事が出たのが同日午前6時で、同8時過ぎにはX(旧ツイッター)上で記者会見を開くという告知があり、同9時半から会見が行われました。

その手際の良さ、潔さを評価する向きもありますが、「許せない!」という意見も当然あります。

自分にとって一番身近な家族ですら裏切るような人間が、国民を裏切らないと言えるだろうか? これだけ政治的に大事な時期でも自制が効かないということは、海外からのハニートラップにも弱いのでは?

一つ一つの批判はもっともです。

私も、翌12日(火曜)に出た拙欄の冒頭、「今や時の人」と書いていて、随分皮肉めいた書き出しになっちゃったと苦笑い。原稿の締め切りが早いので、直前の動きには対応しきれないのでした。

さて、今回のスキャンダルについて、ネット上では「プライベートなことは家族で決着してくれればいい。政策をしっかりやってくれ」「しっかり仕事をしてくれ」という意見が多数見られました。擁護まではいかないけれど、「評価の軸はそこ(スキャンダル)ではない」という意見など、今までの政治家のスキャンダルとは展開が違うと感じました。

そもそも、先の衆院選で国民民主党に投票したのは、政策を重視した人たちと言われます。国民民主党は「国民の手取りを増やす」として、「年収103万円の壁」撤廃や、ガソリン税を一部軽減する「トリガー条項」凍結解除など、経済政策を地道に訴え続けました。

一方、他の野党は政治資金収支報告書の不記載をめぐる「政治とカネ」の批判に終始し、自民党も「政治とカネ」の謝罪からスタートしました。多くのメディアが後者を中心に報じた結果、衆院選のメインイシュー(主な論点)は「政治とカネ」(スキャンダル)という空気がつくり出されました。

こうした構図は「モリ・カケ・サクラ」や「漢字の読めない首相」など、過去に何度もありました。原因を追及して再発を防止するのは重要ですが、その度に国会全体が空転して、政策が置き去りになりました。なぜ、同時並行でできないのでしょうか。

今回も、政治スキャンダルがメインになろうとしていたところ、「もうウンザリだ」「いいから政策を議論しろ」という人々が国民民主党を支持し、玉木氏の一件でも叱咤(しった)激励したのではないでしょうか。

となれば、これはトップの謝罪術より、普段の政策議論の方向性こそが評価されたということになりそうです。

感情を揺さぶるセンセーショナルなスキャンダル政局ではなく、地味ながら実生活に影響する政策議論を中心に政治が展開していくとすれば、報道のあり方も変わっていかなくてはいけません。今後も前向きに、悩みながら番組をつくっていくことになりそうです。

■飯田浩司(いいだ・こうじ) 1981年、神奈川県生まれ。2004年、横浜国立大学卒業後、ニッポン放送にアナウンサーとして入社。ニュース番組のパーソナリティーとして、政治・経済から国際問題まで取材する。現在、「飯田浩司のOK!Cozy up!」(月~金曜朝6―8時)を担当。趣味は野球観戦(阪神ファン)、鉄道・飛行機鑑賞、競馬、読書など。

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