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株式フジ 「主力株への見送り」継続、為替相場の影響を受けにくい下値が限定的な銘柄に投入 「ZOZO」「ゼビオHD」年初来高値を更新の強い動き

zakzak by夕刊フジ 2024年8月23日 6時30分

8月5日に起きた「令和のブラックマンデー」(日経平均4451円安)の恐怖は引き続き払拭できていません。日経平均こそ8月5日の安値3万1458円から急回復し、3万8000円をうかがう水準にあるものの、投資家の心理からあの恐怖が消失したわけではないのです。

実際、ひとたび為替市場でドル円相場が円高方向に動くと、株価の頭を押さえこむかのように売り物が出てきます。時をへてわかったのは「円高が株価の悪材料」ということです。

現状、内田真一日銀副総裁が「マーケットが不安定なときに利上げは考えていない」としたように、日銀が年内に追加利上げを行う想定はなくなったものの、米FRBが利下げをする可能性は十分にあります。その場合、日米金利差が縮小し、再び円高進行に拍車がかかる可能性もあります。

米時間8月22―24日に米カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」が開催されます。今年のテーマは「金融政策の有効性と伝達の再評価」で、米FRBパウエル議長の講演は日本時間23日午後11時に予定されています。

この場では、これまでの発言を踏襲し、「利下げ時期を遅らせてはいけない」として9月利下げを示唆する公算です。その後の為替市場の動きと東京株式市場の動きに投資家は疑心暗鬼に陥っているのです。これが最大の不透明要因です。

投資家は引き続き、「主力株への見送りスタンス」を継続しつつ、資金の一部を為替相場の影響を受けにくい銘柄や下値が限定的な銘柄に投入していくものと思われます。

前者では衣料EC「ZOZOTOWN」を運営する「ZOZO(3092)」、スポーツ用品販売大手で「スーパースポーツゼビオ」を展開する「ゼビオホールディングス(8281)」などが指摘できます。この2銘柄はいち早く安値から切り返し、足元で年初来高値を更新する強い動きを見せています。

後者では、7日に発行済株式数の6・0%、750億円を上限とする自社株買いを発表した「いすゞ自動車(7202)」、また13日に発行済株式数の1・38%、200億円を上限とする自社株買いを発表した「アシックス(7936)」の反発力が強いです。

さらに付け加えると、当欄で以前から話題にしている新規公開株、短期職業紹介の「タイミー(215A)」も引き続き堅調です。投資家はそれでも買う理由と銘柄を探しているようです。その動きは次第に強まっていくでしょう。 (株式ジャーナリスト・天海源一郎)

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