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米民主党の副大統領候補にワルツ氏が選ばれた理由 「若年層の支持を獲得するため…親イスラエル候補避けたのでは」島田洋一氏

zakzak by夕刊フジ 2024年8月7日 14時57分

11月の米大統領選に向け、民主党の指名を確定させているカマラ・ハリス副大統領(59)は6日、副大統領候補に中西部ミネソタ州のティム・ワルツ知事(60)を選んだ。ハリス氏は、ワルツ氏の「元州兵」「元教師」という庶民的キャリアを絶賛したが、共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)と競り合う激戦州の知事ではない。意外感もあるワルツ氏の抜擢(ばってき)には、中東情勢が関係しているとの指摘もある。

ハリス氏は「元州兵」「元教師」庶民的キャリアを絶賛

「知事やコーチ、教師、退役軍人として、彼自身のような労働者の家族のために働いてきた。チームに迎えることは喜びだ」

ハリス氏は6日、X(旧ツイッター)の投稿で、ワルツ氏をこう紹介した。ワルツ氏はXで、「光栄だ。全力を尽くす」と表明した。

中西部ネブラスカ州に生まれたワルツ氏は高校卒業後、州兵に入隊。軍務のかたわら教職に就いた。やがてミネソタ州に移り、社会科教師として勤務した高校ではアメリカンフットボールの監督も務めた。2006年の下院選で初当選して6期務め、18年のミネソタ州知事選で勝利した。

知事時代の20年には、ミネソタ州のミネアポリスで白人警察官による黒人男性暴行死事件が発生。対応に当たったワルツ氏に対し、共和党からは「暴徒がミネアポリスを焼き払うのを防げなかった」と批判の声が上がっている。

ハリス氏の副大統領候補選びでは、激戦州の東部ペンシルベニア州のジョシュ・シャピロ知事(51)が最有力とみられていた。なぜ、ワルツ氏が選ばれたのか。

福井県立大学の島田洋一名誉教授は「ワルツ氏は、副大統領候補として名前が挙がっていた中で一番地味な人物で、激戦州の知事でもない。現在、若い民主党支持者の間では『反イスラエル運動』が盛り上がっており、若年層の支持を獲得するため、ユダヤ系のシャピロ氏を避けたのではないか」と話した。

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