Infoseek 楽天

高市早苗氏、捲土重来か「混乱続けば…自民党は野党になってしまう」 あす両院議員懇談会、石破執行部に〝責任論〟噴出の恐れ…どう動く

zakzak by夕刊フジ 2024年11月6日 11時48分

あす両院議員懇談会

高市早苗前経済安保相は5日、9月の自民党総裁選で自身を支援した議員ら約20人と東京都内のホテルで会食した。石破茂首相(総裁)は、衆院選で自身が決めた勝敗ラインを割り込む大惨敗を喫したが、「政権居座り」を続けており、内閣支持率は急降下している。自民党は7日、両院議員懇談会を開き、選挙結果を総括する。石破首相や森山裕幹事長ら党執行部に対する「責任論」が噴き出し、紛糾する恐れもある。石破自民党から離れた「岩盤保守層」が期待し、捲土(けんど)重来を期す高市氏は今後、どう動くのか。国民世論の視線が集まっている。

都内で萩生田氏らと会食

「党内が混乱し、ガタガタした状態が続けば、自民党は野党になってしまう」「結束して党をもり立てていこう」

高市氏は5日の会食で、こう呼びかけたという。

会食には、総裁選で高市陣営の選挙対策本部長を務めた中曽根弘文元外相や、古屋圭司元国家公安委員長、側近の山田宏参院議員らが顔をそろえた。中でも注目を集めたのが、短時間出席した萩生田光一元政調会長だ。

石破首相は総裁選で、党の処分がすでに終わっていた派閥裏金事件を持ち出して〝再炎上〟させた。野党や左派メディアの関心が高まり、収拾がつかなくなると、石破執行部は右往左往の末、萩生田氏を含めた12人を「非公認」、34人に「比例区重複を認めない」など、一事不再理に反する「二重処分」に踏み切った。

萩生田氏は、安倍晋三元首相が率いた旧安倍派の実力者「五人衆」の一人だったが、立憲民主党候補と大接戦の末、無所属で小選挙区を勝ち上がった。

石破首相は衆院選で「国民の信任」を得られず、自公与党で過半数(233議席)を大きく割り込んだ。政権運営の危機に直面し、「非公認」で当選した萩生田氏や西村康稔元経産相、世耕弘成前参院幹事長ら計6人を統一会派「自民党・無所属の会」に取り込んだが、追加公認は認めていない。

萩生田氏は1日、インターネット番組「言論テレビ」で、ジャーナリストの櫻井よしこ氏と対談し、衆院選で応援演説に駆け付けた高市氏について「しっかり連携をとりたい」と語った。二重処分である「非公認」とした党の判断基準については、「腑に落ちない」と指摘。「権力には権力でしかあらがえない。安倍イズムを継承しないといけない」「前面に出てやれることをやりたい」と述べており、動向が注目されていた。

石破首相はこれまで、安倍政権を批判し続けてきた。自身の閣僚人事では、安倍氏を死後、「国賊」と罵倒した村上誠一郎総務相を重用するなど、「安倍路線の否定」が指摘されている。

高市氏の会食に、萩生田氏が出席したのは、衆院選の慰労が目的で短時間だったという。保守系議員らが党の現状や運営について、どのような意見を交わしたのか憶測を呼んでいる。

こうしたなか、7日には両院議員懇談会が開催される。

あるベテラン議員は「石破執行部は『改革』の名を借りて、安倍派などの保守政治家を攻撃し、さらしものにした。揚げ句、選挙戦略を失敗して衆院選で惨敗した。安倍政権や麻生太郎政権に激しく責任論を追及した石破首相が、党を破壊した責任を取らないのは筋が通らない」と断じる。

首都圏の党関係者も「今回の衆院選は本当に厳しかった。石破執行部の総括さえないまま党は引っ張れない。世論の支持はさらにがた落ちしていくだろう」と突き放す。

有馬氏「国民の納得得るのは容易ではない」

石破執行部は11日召集される特別国会の前に、ガス抜きをしようと両院議員懇談会を開く流れとなったが、石破首相の言行不一致の「政権居座り」に対し、党内には「憤怒のマグマ」が蓄積しているようだ。

石破首相自身は5日、党の役員会で「皆さんの意見をたまわり党運営に努力したい」と語ったという。

高市氏は日程の都合で懇談会への出席は難しいという。

石破自民党は持ちこたえられるのか。

政治評論家の有馬晴海氏は「石破首相が両院懇談会で、過半数割れの失態について納得を得る説明をするのは容易ではない。来年には都議選や参院選が控えるなか、展望は極めて厳しい。石破首相に厳しい批判が出る一方、高市氏を支援したグループも衆院選で大打撃を受けた。直近で『石破降ろし』に直結する余裕はなさそうだが、このまま支持率が上がらなければ、緊迫度は上がっていく。国民の納得を得るのは、容易ではないだろう」と分析した。

この記事の関連ニュース