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勝者のワザ 石川遼が通算20勝到達、追求続けた理想のスイング 「うまくなりたいのか、強くなりたいのか―」 VISA太平洋マスターズ優勝

zakzak by夕刊フジ 2024年11月17日 10時0分

終盤を迎えた男子ツアー。VISA太平洋マスターズで石川遼(33)が最終日最終18番パー5ホールを2オンのバーディーで締めくくって1打差での優勝を果たした。これで大会最多の4勝目。シーズン2勝目で通算20勝となった。

石川は才能に満ちあふれ、理想のスイングを求め続けてきた選手だ。挑戦をいとわず技術を磨き、そして今も探し続けているのではあるまいか。試合中でも、スイングチェックする姿がある。ダウンスイングでの動作を何度も繰り返したり、トップの形を作って自分の目で確認したり…。

ゴルフに取り組むときの命題として「うまくなりたいのか、強くなりたいのか―」というテーマがある。石川は前者タイプの代表的選手であるといえるだろう。

一方、同学年の松山英樹(32)は、レベルの高いUSPGAツアーを主戦場にして結果を出した。タイガー・ウッズを頂点にした世界のトッププロたちとの戦いの中で「うまさ」も大切ではあるがそれを踏まえた上で「強くなりたい」とゴルフに取り組んできた。

勝つためには何が必要なのかを実戦の中で試し、挑戦しつづけた。例えば池越えのグリーンで、越えてすぐのところにピンが立っているような状況で優勝する選手は、そのピンを攻めてくる。勝負どころではリスクを承知で、そんなギャンブルショットを放ち、勝つためには、それを成功させなければならない。

松山は、好位置にいながら、あえてギリギリを狙って失敗したこともあった。実戦の中でしか、経験できないことだから、そういう状況があれば勇気を持って挑戦し、もし、失敗しても、次に生かすことができる。強くなれる。こうしたことの積み重ねでついにはマスターズのグリーンジャケットに腕を通した。

うまくなりたいのか、強くなりたいのか。これはアマチュアゴルファーにとっても、改めて自分に問い掛けてみるべき命題ではある。答えが前者であるなら基本のチェックと反復練習が大切になるし、後者なら競技ゴルフに挑戦し、実戦経験を重ねていくのがいいだろう。どちらかを選ぶことによってゴルフライフも違ってくる。

■石川遼(いしかわ・りょう) 1991年9月17日生まれ、埼玉県松伏町出身。6歳でゴルフを始め、東京・杉並学院高1年時に初出場した「マンシングウェアオープンKSBカップ」で史上最年少の15歳8カ月で優勝。2008年にプロ転向、09年に4勝を挙げ最年少賞金王に輝く。ツアー通算20勝。175センチ、70キロ。

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