サッカーW杯アジア最終予選
2026年サッカーW杯北中米3カ国大会のアジア最終予選のC組第4戦が15日、埼玉スタジアムで行われ、日本は難敵オーストラリアと1―1で引き分けた。3勝1分け(勝ち点10)で同組首位を堅持したものの、オウンゴールで先制を許すというアクシデントで苦しんだ。逆に日本も後半31分に途中出場の中村敬斗(24)=スタッド・ランス=がオウンゴールを誘発して引き分けたが、ふんどしを締め直すきっかけにしたい一戦となった。
チケット完売の5万8730人の大観衆が集結し、ボール支配率は65%。攻守ともに日本ペースで進んだ試合だったが落とし穴が待っていた。
後半13分だった。オーストラリアの左からのクロスをクリアしようとしたDF谷口彰悟(33)=シントトロイデン=だったが、ボールはゴール方向へと飛んでそのまま入ってしまった。
「もう1歩下がってクリアしていれば。僕のポジショニングミス。あのシーンは正直辛かったし、ショックは大きかった」とうなだれた。
最終予選で日本がロケットスタートができた大きな理由は3試合連続無失点だった。堅守に乱れが出て、一瞬混乱しかけたが森保一監督(56)は落ち着いていた。後半25分に久保建英(23)=レアルソシエダード=に代えて中村を投入。これがズバリだった。
中村の動きは鋭く、相手DFを見事にかわしてゴール前へ速いクロス。相手DFがクリアできずにオウンゴールとなった。中村の得点と言ってもいいプレーだった。
ホームで引き分けは納得のいく結果ではないものの、それでも危うく勝点3を献上するところだっただけにこの勝点1は大きい。両国がオウンゴールで引き分けるという異例の試合だったが、日本は何とかアクシデントを乗り越えたといえるだろう。
アクシデントと言えば、オーストラリアは試合前に想定外のトラブルに見舞われた。都内のホテルから埼玉スタジアムに向かったが20キロを超える事故渋滞に見舞われて「2時間以上もかかった。しっかり(試合前の)ウォームアップができなかった」(オーストラリア代表・ポポビッチ監督)。
レギュレーション上では試合開始1時間半前に到着しなければならないが、到着したのは49分前だった。
オーストラリア側は「試合開始を遅らせて欲しい」と要求し、日本側もOKしたが、アジアサッカー連盟(AFC)がこれを却下。オーストラリアのメディアなどが「ひどい決定だ」と批判する騒ぎとなった。
W杯への道は険しい。トラブルをいかに乗り越えていけるかが大事だ。 (久保武司)
▽埼玉スタジアム
日本 1 0―0 1―1 1 オーストラリア
【得点】谷口(OG、後半13分)、バージェス(OG、後半31分)