年収が103万円を超えると所得税が発生する「年収の壁」見直しについて、共同通信社が16、17両日に実施した全国電話世論調査で、賛成が「どちらかといえば」と合わせて69・9%に上った。政府が物価高対策として検討する低所得世帯への3万円支給案については67・4%が「評価しない」と答えた。
「年収の壁」の見直しへの評価を年代別に見たところ、若年層になるほど賛成が増え、働き控えの解消や手取り増加への期待が大きい実態が浮き彫りになった。
政府が検討している住民税非課税の低所得世帯への3万円支給案について、物価高対策としての評価を聞いたところ、「評価する」は29・4%にとどまった。
「年収の壁」見直しを主張している国民民主党の玉木雄一郎代表は18日、X(旧ツイッター)で«非課税世帯への給付は否定しないけれど、まじめに働いて税金を払っている人たちのことをもっと大切にすべきではないか»と投稿した。
地方自治体などから税収が減少するとして反対の声も出ているが、玉木氏は別の投稿で«財源論ではなく生存権の問題»とした。財源論についても、使い残しの予算が2年間の平均で年9・1兆円、税収は平均で年4・2兆円上振れしているとして、«計上すべき予算をもっと絞り込み、税収見積もりをより精緻にすれば、基礎控除の引き上げ分の減収など、いくらでも対応可能»と指摘した。
世論調査では、玉木氏の不倫問題については、政治家としての資質に「問題がある」が48・0%で、「問題はない」が49・3%とわずかながら上回った。
石破茂内閣の支持率は40・0%で、衆院選直後の10月28、29両日調査の32・1%から7・9ポイント回復した。不支持は38・8%だった。