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2024年秋・衆院選 愛知1区 「選挙モンスター」河村たかし氏〝旋風アゲイン〟日本保守党が石破自民党への批判票を集めるか 自民と立民「両陣営に脅威」

zakzak by夕刊フジ 2024年10月21日 11時4分

名古屋市長を約15年半務めた河村たかし氏が「総理を狙う男アゲイン」と、衆院選の愛知1区(名古屋市東・北・西・中区)から出馬した。ベストセラー作家の百田尚樹氏が代表、河村氏が共同代表を務め、「日本を豊かに、強く」「議員の家業化をやめる」などと訴える「日本保守党」の公認候補である。20日午後、名古屋市での街頭演説で次のように訴えた。

「なぜ、現在の政治に信頼感がないのか。(議員の)給与がド高くて、団体になると裏切るから。LGBT法も、憲法改正もそう。コロッと変わる。『高給取りの集団的自衛権』だ。税金を払う方が苦労していて、税金で食っている方が極楽なんて、これはイカンよ。百田代表は作家だから本質を見る目がある。(日本保守党は)国会で、どえりゃ暴れる」

愛知1区には、自民党前職の熊田裕通(ひろみち)氏、立憲民主党前職の吉田統彦氏、日本維新の会新人の山本耕一氏も出馬し、全国屈指の注目選挙区となった。

河村氏は1993年以来、日本新党や新進党、旧民主党などで衆院議員を5期務め、名古屋市長は2009年の初当選から「市民税10%減税」を掲げて4回当選した。

河村市政は話題満載だった。

11年、名古屋城に近い国有地を中国総領事館に売却する計画に反対して頓挫させた。19年、国や愛知県、名古屋市の公金が投入された国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」の企画展に、昭和天皇の写真を燃やし、その灰を足で踏み付ける映像作品などが展示されたことを批判し、市の負担金支出を留保した。21年には、東京五輪ソフトボール日本代表で、同市出身の後藤希友(みう)投手の金メダルを噛んで批判を浴びた。

さて、河村氏の出馬で、愛知1区はどうなるか。

自民党の熊田氏は「党を生まれ変わらせたい」といい、立憲民主党の吉田氏は「政権交代を実現するしかない」、日本維新の会の山本氏は「国民が望んでいることは経済(政策)だ」と訴えている。

愛知県政関係者が語る。

「前回21年の衆院選で、熊田氏と吉田氏はほぼ互角で、熊田氏が2400票差で競り勝ち、吉田氏も比例復活した。愛知1区は、河村氏の衆院議員時代の地盤であり、熊田、吉田両陣営には脅威だろう。河村氏の訴えは、石破茂首相(総裁)の自民党に批判的な保守層だけでなく、『減税』や『議員の家業化をやめる』という主張はリベラル層にも浸透する。『選挙モンスター』の異名を持つ河村氏は侮れない」 (ジャーナリスト・田村建雄)

【衆院愛知1区】

山本耕一47 維新

△河村たかし75 保元

▼熊田裕通60 自前

▼吉田統彦49 立前

※△は「やや優勢」、▼は「やや劣勢」。夕刊フジが取材結果などをふまえ、独自に判定した。

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