■大相撲初場所 3日目 =14日、東京・両国国技館
「切り替えます」
大関琴桜(27)=佐渡ケ嶽=が3日目で2敗目。綱とりは早くも大ピンチとなった。
東前頭2枚目の翔猿(32)=追手風=に土俵際で引き落としを食い逆転負け。「切り替えます」と声を絞ったが、やはり横綱昇進のために今場所で求められる連覇、ないし優勝次点は極めて高いハードルのようだ。事実、2021年に秋、九州と照ノ富士が2場所続けて制したのを最後に、先場所まで19場所連続で優勝力士は替わっている。これは1974年秋からの21場所連続に次ぐ長さだ。
近年に序盤でつまずきながら横綱に昇進した例としては、6日目までに2敗しながら12勝3敗で連覇を遂げた3代目若乃花がいる。ただし、1場所15日制が定着した1949年以降に横綱に昇進した33人のうち、直近場所で連敗した例は皆無。琴桜は成功率ゼロパーセントの逆境から、前例のない巻き返しで綱とりを果たせるのか。
高田川審判部長(元関脇安芸乃島)は「(望みが)途切れたわけではない。2連敗で吹っ切れるかもしれない。(数字上のことは)関係ない。勝負は今からじゃないですか? あとは自分が周りを倒して引きずり降ろしていけばいいわけですから」と擁護。もっとも、場所前の横綱審議委員会稽古総見でも、大関同士の対戦でいきなり7連敗を喫するなど3勝10敗とボロボロ、翌日も大の里に6勝8敗と長らく精彩を欠いており、好材料は見出しづらい。 (塚沢健太郎)