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日本の解き方 立憲民主党の「増税コンビ」野田&小川氏 次期衆院選で脅威となるか 財務省が喜ぶ野党では政権の獲得はかなり難しい

zakzak by夕刊フジ 2024年9月28日 10時0分

立憲民主党の代表選で、野田佳彦元首相が新代表に就任した。野田氏は日本維新の会や国民民主党などとの連携を掲げているが、次期衆院選で自民党を脅かすまで勢力を拡大することができるだろうか。

野田氏は人柄も立派で、かつて民主党政権が誕生する前には「白アリ(天下り)が税金を食っているので、それを退治しないと消費増税はできない」というまともな主張をしていた。

ところが民主党政権で財務副大臣になって以降、「財務省色」に染まり、すっかり変わってしまった。

特にひどかったのは、2011年3月11日の東日本大震災の後だ。

当時、国民の中に「助けたい」という気持ちがあったのを利用し、まず復興増税で増税に慣れさせ(ホップ)、その次に「社会保障のために」という口実で消費税の増税を行い(ステップ)、最後には、財政問題をクリアするためだとして、大規模な消費増税を行う(ジャンプ)ことが、財務省内でひそかに検討されていると筆者は聞いた。

それにまんまと乗ったのが、財務相から首相となった野田氏だ。当時野党だった自民党も、民主党政権のうちに消費増税を処理させれば、政権も長くもたないし、得策だという打算もあっただろう。その結果、民主党政権は〝悪夢〟で終わった。

今回、野田代表が幹事長に起用した小川淳也氏は、かつて「消費税は最低で北欧並みの25%は必要」「所得税だって昔70%、80%払っていた。相続税も強化する必要がある」と発言していたという。

普通に考えれば、このような「増税コンビ」で、財務省がしめしめと思うような野党では、政権を奪うことはかなり難しいといわざるを得ない。

維新や国民民主も、下手に「増税」のレッテルを貼られたら、イメージダウンになるだろう。衆院の任期もあと1年余りなので、解散・総選挙も遠くないうちに行われる。そのときには、さすがに増税を表に出せないだろうし、当面、立憲民主党は増税を封印せざるを得なくなるが、具体的な政策議論をしていくと、増税体質をどこまで隠せるかどうかは疑問だ。

対する自民党は、野党が増税路線ならば政治的には対応が容易のはずだ。しかし、野党に増税志向があるときには、財務省の動きに注意しなければいけない。

与党に「いずれ増税は避けられないので、増税するなら政治対立にならない今でしょ」との悪魔のささやきがくるのだ。さらに、増税を主張する野党がまじめで、増税を主張しない与党は無責任だというレッテル貼りをしてくるかもしれない。

こう考えると、自民党総裁選が、がぜん重要になってくる。筆者は、X(旧ツイッター)で「Zは喜ぶなあ、これで自民が高市(早苗)さんでないと消費税15%は固いな」とポスト(投稿)してしまったくらいだ。「これで自民党が総裁選びを間違わなければ、総選挙で負けることはない。ただし、間違わなければね」ともポストした。 (元内閣参事官・嘉悦大教授 高橋洋一)

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