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勝者のワザ 佐久間朱莉「日立3ツアーズ選手権」MVP 〝ゆっくりテークバック〟で飛距離&正確性 一般ゴルファーにも有効、再現性も高めやすい

zakzak by夕刊フジ 2024年12月15日 10時0分

今季を締めくくる男子(JGTO)、女子(JLPGA)、シニア(PGA)各ツアーの対抗戦。2大会連続8回目の優勝を飾った女子のMVPに輝いた。

まだ勝利こそないが、ジャンボ尾崎門下だけあってツアー屈指のショットメーカーだ。トータルドライビング(ドライバーの平均飛距離とフェアウエーキープ率のポイント合計)は2位、ボールストライキング(トータルドライビングとパーオン率ポイントの合計)は1位。この調子を維持すれば、初勝利は時間の問題だろう。

トップはコンパクトだが、体全体を使って振り抜くためにスイングアークは大きい。左腕は肘をしっかり伸ばしてコンパスのように使っている。

最大の特徴はゆっくりとした丁寧なテークバックで、これが大きな飛距離と正確性につながっている。

素早くテークバックし、ワン、ツーというリズムで一気に打ち抜く選手が比較的多いが、佐久間はワーン、ツーというリズム。アドレスから反動をつけるようなテークバックとは対照的で、静かにトップスイングをつくる。

いわば、お盆の水をこぼさないように体の向きを変えていくような動き出しで、いわゆる両腕の三角形を崩さないように胸との位置関係を変えずにトップへクラブを運んでいる。

リズムとしては一気にテークバックする方がスムーズにダウンスイングに入りやすいという理論の上級者も多いのだが、一般のゴルファーにはゆっくりとしたテークバックは有効だ。切り返しでクラブヘッドが暴れず、再現性も高めやすいといえる。

また、アドレスからゆっくりと上体を右に向けていくことで、右脚への十分なウエートシフトも自然に実現する。頭の位置はやや右に動いていくことになるが、これはあまり問題ではなく、肩や腰を水平回転させる形でI字型のフィニッシュに入っていく。

最近の選手は肩を縦回転させる機械的なスイングが主流になっている。ただ、ここまで仕上げるのは簡単ではない。わずかな上体の揺さぶりや、肩の水平回転で左に振り抜いた方が体に優しく飛ばしていける。

■佐久間朱莉(さくま・しゅり) 2002年12月11日、埼玉県川越市生まれ。父の影響で3歳からゴルフを始める。16年関東女子ゴルフ選手権優勝。同年「樋口久子三菱電機レディス」でローアマ。中学3年から尾崎将司の「ジャンボアカデミー」に入門。21年に埼玉平成高を卒業し、プロテストにトップ合格し、同年に下部ツアー優勝。22年に初シード。155センチ。家族は両親と兄。

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