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天野秀夫 中小型厳選株 海外リサーチ事業強化の「アスマーク」値幅取り機運到来 昨年12月IPOの出遅れ有望株、11月期業績好調で初配当は年72円

zakzak by夕刊フジ 2024年7月4日 11時0分

スキマバイトサービスを展開するタイミー(215A)の新規上場(IPO)が発表されました。上場日は7月9日から17日のいずれかの日で、IPOにあたって市場から調達する資金額は今年最高の500億円弱となり、東証グロース上場の超大型案件です。女優の橋本環奈さんがテレビCMに出演し知名度も向上中。今2024年10月期業績予想は前期比70%増収、2倍営業増益見込みと業績変化率も高く、多くの企業や自治体などと業務提携や連携協定を結んでいるという特徴もあることが魅力です。

知名度の高い有力IPOが発表されると、株式市場では直近IPO銘柄が見直されやすくなる地合いが形成されます。7月下旬の3月企業の第1四半期を中心とする決算発表シーズン入りまで、バリュー株は手掛かり難となりやすいことから、小型株にサマーラリーの期待が膨らみます。

昨年12月4日に公開価格2300円に対し初値2150円でIPOし、5月戻り高値2928円からの調整も一巡し切り返し波動にある東証スタンダードの「アスマーク」(4197)が値幅取り妙味を高めています。

アスマークはネットリサーチやインタビューによる定性調査に強みを持つマーケティング調査会社で、飲料・嗜好(しこう)品、情報通信、コンサルティング、大学など教育分野に顧客層を広げ、海外リサーチ事業を強化中です。

HRテック事業として人事関連向けビジネスも手掛け、在籍管理や従業員満足度調査の各ツールに加え、ハラスメント防止ツールも展開しています。パワハラ防止法は、大企業で20年6月から、中小企業は22年4月から施行されています。罰則規定はないものの、厚生労働大臣による助言・指導および勧告の対象となり、勧告に従わない場合は企業名が公表されることもあります。需要が高まる成長ツールとして期待できるでしょう。

同社は11月期本決算銘柄で、会社側による今期業績予想は売上高47億2000万円(前期比10・2%増)、営業利益3億6000万円(同13・6%増)、経常利益3億6600万円(同10・1%増)、当期利益2億6000万円(同10・1%増)で、営業利益は2期ぶり、売上高と経常・当期利益は連続で過去最高を更新見込みです。また、4月に発表した第1四半期(12~2月)営業利益は過去最高となる1億6500万円で、通期に対する進捗(しんちょく)率は43%超に達しています。前期・前々期ともに第2四半期(3~5月)営業利益は1億5000万円超を計上し、通期予想の達成率は高く、7月16日発表予定の第2四半期決算が注目されます。

また、今11月期末に初配当を実施し、その配当額は年間72円(うち期末配当37円)で配当利回りは3%に達しています。PERは10倍、PBRは2倍と直近IPOとしては割高感もありません。時価はIPO公開価格水準の2300円台に位置し、5日線移動平均線が25日線を上抜くゴールデンクロスも果たしました。IPO見直しの流れに乗る有望株です。

■天野秀夫(あまの・ひでお) 日本大学法学部卒。1987年4月、日本証券新聞社に入社。記者、編集局長などを経て、代表取締役社長を12年近く務める。2017年4月、独立。証券・金融界、上場企業経営者とのパイプを生かし金融リテラシーへの貢献を目指す。

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