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ニッポン放送・飯田浩司のそこまで言うか! 総裁選のキーワードは「世代交代」 日経・テレ東調査で小泉進次郎、小林鷹之両氏が躍進 政策の間違い一つで人々は生活苦に

zakzak by夕刊フジ 2024年8月28日 15時30分

来月27日に投開票が行われる自民党総裁選。今週は、同12日の告示日に向けて出馬表明ラッシュです。

私が担当するニッポン放送の早朝番組「OK!Cozy up!」(月~金曜朝6―8時)では「灼熱の!ダブルコメンテーターウイーク」と題して、総裁選の行方や経済、外交、安全保障などを、毎日2人のコメンテーターとともに掘り下げてお送りしています。

27日は、いち早く出馬会見を行った小林鷹之前経済安保相(49)に登場いただきました。ポッドキャストやユーチューブ、ラジコのタイムフリーで後からでも聴くことができますので、ぜひ小林氏の意気込みを確認してください!

さて、各社の世論調査を見ていますと、この総裁選のキーワードは「世代交代」なのではないかと思います。

先週21、22両日、日経新聞とテレビ東京が行った緊急世論調査では、次期総裁にふさわしい人として、トップは小泉進次郎元環境相(43)、2位は石破茂元幹事長(67)と、いつもの名前が挙がりました。私が注目したのは順番ではなく、前回7月調査からの増減です。

小泉氏と小林氏という40代の2人が、それぞれプラス8ポイント、同7ポイントと大きく伸びていました。特に小林氏は1%から8%と8倍です。

こうした若手が注目され出すと、「長老の傀儡(かいらい)」とか、「官僚の言いなり」などの批判が必ず出てきます。

しかし、今回の世代交代は育ってきた環境、見てきた景色が随分と違いますから大きな意味があると思います。先日の小林氏の会見では、こんなエピソードが紹介されました。

「大学卒業を控えたある日、長年父が務めていた商社が金融危機のあおりを受けて倒産しました。初めて父の背中が小さく見えたことを覚えています。国の政策が一つ一つの家庭や人生に大きな影響を及ぼすその痛みは(中略)忘れたことはありません」

私も同じ40代ですが、この世代は「頑張れば報われる」と言われて育ってきたものの、大学時代の就職活動は厳しく、社会に出て非正規雇用のまま来た人も多いのです。きらびやかなバブル期は幼少の頃に垣間見る程度で、歩んできた社会は、いわば「凍てつく荒野」のようでした。

こうした「就職氷河期」特有の原体験は、政策の間違い一つで人々の生活を苦しめてしまうという思いを植え付けたのでしょう。一世代上の候補者たちは高市早苗経済安保相(63)を除いて、「物価が上がるのは円安のせいだ!」などと短絡的に日銀の利上げを提唱しました。

一方、小泉氏は拙欄でも紹介した通り、「円安のピンチをチャンスに」と輸入品の国内品置き換えを訴えました。小林氏も財政政策と金融政策を柔軟に組み合わせて対応するとしたうえで、日銀による利上げの判断は市場としっかり対話して慎重に行うべきとの見解を示しました。

マクロ経済政策や安全保障を各候補がどう考えているのか、機会を捉えて番組でも掘り下げていこうと思います。

■飯田浩司(いいだ・こうじ) 1981年、神奈川県生まれ。2004年、横浜国立大学卒業後、ニッポン放送にアナウンサーとして入社。ニュース番組のパーソナリティーとして、政治・経済から国際問題まで取材する。現在、「飯田浩司のOK!Cozy up!」(月~金曜朝6―8時)を担当。趣味は野球観戦(阪神ファン)、鉄道・飛行機鑑賞、競馬、読書など。

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