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在職戦後最短が嫌?異例の続投意向、石破首相に青山繁晴氏が直言「辞職こそ職責」 民意は〝卑怯なやり方〟許さない

zakzak by夕刊フジ 2024年10月30日 11時35分

衆院選で、自ら勝敗ラインに設定した「自民、公明与党で過半数」を下回る大敗を喫しながら、「職責を果たしたい」と続投の意向を示した石破茂首相(自民党総裁)に、党内外から退陣を求める声が強まっている。共同通信の最新世論調査でも、内閣支持率は「危険水域」目前の32・1%で、今月初めの発足直後から18・6ポイントも急落した。自民党の保守系議員集団「日本の尊厳と国益を護る会(護る会)」の代表、青山繁晴参院議員は29日、夕刊フジの取材に応じ、「民意が示された時点でいったんけりをつけないと選挙の意味がない。民主主義の否定だ」「石破首相は1分1秒でも早く辞意表明すべきだ」「内閣総辞職することこそ職責だ」などと訴えた。

衆院選で、自民党は191議席(65議席減)、公明党は24議席(8議席減)を獲得し、与党は計215議席となった。定数465の過半数(233)に届かず、石破首相の勝敗ライン「与党で過半数」を大きく下回った。

一方、野党は、国政政党となった日本保守党を含む8党で計238議席、無所属を加えると250議席となる。

この大惨敗の原因について、青山氏は次のような見方をする。

「『政治とカネ』の問題への批判もあるが、最大の問題は、旧石破派のカネの問題については『事務的なミス』で片付け、世論の雰囲気を見て、旧安倍派議員を中心に『非公認』や『比例重複を認めない』といった対応をしたことだ。普通の日本人の感覚では『卑怯(ひきょう)なやり方』に見え、火に油を注いだ」

確かに、石破執行部は衆院選直前、政治資金収支報告書への不記載が発覚した旧安倍派議員らを「非公認」や「比例重複を認めない」などとした。すでに党処分は終わっており、二重処分となった。

実は、石破首相が代表を務めた「水月会」の政治資金パーティーでも、政治資金収支報告書に過少記載があったとして政治資金規正法違反容疑で告発されたが、首相は「事務的なミスがあった」「厳粛に受け止める」などと述べるにとどめた。

このほか、自民党への逆風要因としては、「解散時期をめぐる石破首相のウソ」「安倍晋三元首相を『国賊』と罵倒した村上誠一郎総務相らの重用」なども指摘されるが、最終盤で「非公認候補側へ活動費2000万円支給」が報道されたことが拍車をかけたとされる。

青山氏も「最後の決め手は『2000万円問題』の釈明だろう。なぜ、国民が『党支部長の立場と候補者の違い』という党内の事情に過ぎないことを理解しなければいけないのか。卑怯なやり方を好まない倫理観が日本を支えてきた。『その首相に投票できない』『この人を勝たせてはいけない』というのが民意の根っこだろう」と語る。

自公与党の過半数割れは、民主党政権が誕生した2009年衆院選以来、15年ぶりだ。

ところが、石破首相は投開票翌日(28日)の記者会見で、「国民の批判に適切に応えながら、現下の厳しい課題に取り組み、国民生活と日本を守ることで職責を果たしたい」などと述べ、異例の続投を表明した。

新聞各紙の社説は、「居座りは許されぬ」「潔く辞職すべき」(産経新聞)、「速やかに進退を」「憲政の常道」(読売新聞)、「職を辞すのが筋だ」「その言葉に信を置けない」(朝日新聞)などと酷評した。

青山氏は「民意が示された時点で、いったんけりをつけないと衆院選の意味がない。民主主義の否定だ。首相の座にとどまり続けようとするのは妄執(もうしゅう=成仏を妨げる虚妄の執念)だ。10月1日に首相指名されたので、来月半ば以降まで続けないと『在職日数が戦後最短』となり歴史に残る。これが嫌だと思っていると推測できる。だが、首相本来の『職責』は憲法に従い、内閣を総辞職することだ。続けることが職責ではない」と言い切った。

ちなみに、首相の在職日数の戦後最短は東久邇宮稔彦王(ひがしくにのみや なるひこおう)の54日である。

青山氏「小泉氏も、辞めれば済むことではない」

石破首相を支える党執行部の責任も重い。

青山氏は「小泉進次郎選対委員長だけが責任をとるなんて聞いたことも見たこともない。辞めれば済むことではなく、党四役の1人として、石破首相に少なくとも『お辞めください』と進言して、首相がどうお答えになったかも含め、公表して辞表を出すべきだ。これでは責任完遂とはいえない」と話す。

石破首相は政権延命のため、国民民主党や、日本維新の会と政策や法案ごとに連携する部分連合を呼びかけるとみられる。

青山氏は「閣外協力にしろ、部分連合にしろ、連立の組み替えにしろ、衆院選で示された民意の結果を参考材料のようにしか扱わないのは、民主主義の崩壊だ」「自公与党(215議席)と野党(250議席)が逆転して35議席も開いている。野党側は保革入り乱れているが、過去には細川護熙政権が野党の8会派で連立政権を組んだこともある」と指摘した。

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