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うまちゃんの財ザク! 米国の金利が低下すると金の相場が高騰 住友金属鉱山、三菱マテリアル、松田産業などゴールド関連株は引き続き注目

zakzak by夕刊フジ 2024年10月4日 6時30分

日銀の金融政策決定会合は、今年、あと2回開催されます。10月30~31日、12月18~19日です。日銀の植田和男総裁は、政策金利の維持を決めた9月の金融政策決定会合後の会見で、「経済・物価の見通しが実現していくならば、引き続き、政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになる」と述べ、今後の利上げを示唆しました。

ただ、「政策判断にあたり、さまざまなことを確認する時間的な余裕はある」と加えています。この「時間的な余裕」について、マーケットでは「利上げには慎重なのか」「年末には1回利上げがある」と受け取り方もさまざまです。

日銀の意図をめぐって、円高に振れたり、円安に振れたりして、株の動きも上下します。そんな中、金利上昇による収益改善が期待される銀行株は堅調に推移していくと思われます。金融株は長いスパンで考えてください。

金融関連でもう1つ。日本損害保険協会は先月、大手損保4社がゼロにすると宣言した政策保有(持ち合い)株式の扱いについて新たな指針を策定しました。政策株の早期縮減に努め、特に上場株については明確な期限を定めてゼロにする方針を示すことも盛り込んでいます。

大手損保4社の政策株残高は3月末時点で6兆2000億円超。政策保有株の売却で手元資金が増加し、株主還元に回るとの期待もあります。

一方、米国の政策金利を決定する連邦公開市場委員会(FOMC)も、今年は11月6~7日、12月17~18日と2回残っています。FOMCは先月の0・5%の利下げの決定後、会合参加者19人による政策金利の見通しも示しました。

それによると、2024年末時点の金利水準の中央値は4・4%で、前回6月の想定より0・7ポイント引き下げられました。年内残り2回の会合で、あわせて0・5%の利下げが行われるのではないかと思われています。

通常、米国の金利が低下するとドルも下落し、金(ゴールド)の相場は高騰します。銀行に預けた資金や債券から得られる利息が少なくなり、その分、金の魅力が高まります。先月下旬、金の価格は過去最高値を更新しました。

ということで、住友金属鉱山、三菱マテリアル、松田産業、AREホールディングス、中外鉱業、三井金属鉱業などのゴールド関連株は引き続き注目です。

■おまけのひと言

「日銀によると、6月末時点の家計の金融資産は前年同期比で4・6%増えて2212兆円。投資信託、株式は大幅に増加して過去最高を更新。6月末の日経平均が高水準だったとはいえ、投資に目が向く傾向、続いてほしいですね」

【財ザク!】「貯蓄から投資へ」と提言する政府。その投資で少しでも財産アップを達成するために「うまちゃん」が有益な情報をザクザクとお届けします。

■馬渕磨理子(まぶち・まりこ) 経済アナリスト。日本金融経済研究所代表理事。イー・ギャランティ社外取締役。愛称・うまちゃん。1984年生まれ。滋賀県出身。同志社大学法学部卒、京都大学公共政策大学院修士課程修了。大学時代はミス同志社。『LiveNewsα』(フジテレビ系)など出演番組多数。新刊『馬渕磨理子の金融・経済ノート』(東急エージェンシー)=写真=が話題。

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