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深層韓国 〝口だけ儒教の国〟韓国で「老人哀話」があふれる背景 「教育投資こそ老後の保障」と信じ実践も「老人貧困率世界一」の現実

zakzak by夕刊フジ 2024年7月12日 11時0分

韓国のマスコミは「お涙頂だい」調の記事が、とても好きなようだ。中でも目立つのは、「貧しい老人」を取り上げた記事だ。彼らは〝漢江(ハンガン)の奇跡世代〟であり、「息子への教育投資こそ老後の保障」と信じて実践してきた。

しかし、息子は期待に応えてくれなかった。結果として老人貧困率も、老人の自殺率も世界一。それが、「日本より所得水準が上の国」の現実だ。

日本の高齢化(65歳以上の人口)比率は30%近い。韓国は今年7月に20%に達するか、どうか。この数字だけ見れば、高齢化対応に関して、韓国は日本より、はるかに余裕があるはずだ。

だが、実態は「世界一の老人貧困率」だ。

なぜ、そんなことに―1970年代から状況を振り返らなければなるまい。

息子にカネを注ぎ込めば、息子は一流大学に合格し、一流企業に入り…稼いだカネで、親の面倒を見る―そういう〝はず〟だった。

が、すべてが狂った。2000年代になると、大学進学率は7割台に達し、一流大学を卒業したところで、なかなか大手財閥企業には入社できなくなった。

息子世代の圧倒的多数は、自分の住宅ローンの利払いと、自分の子供への教育出費(今では老後保障策よりも、親の見栄の次元)に苦しんでいる。

韓国人は不動産バブルに「私の資産がドンドン増える」と狂喜していた。

しかし、ここに大きな問題が潜んでいた。韓国の住宅ローンは、利子だけ払って、元金は満期時に一括返済するタイプが主流だ。実際には、満期が来たら「借り換え」の方式だ。

不動産価格の上昇に併せて、借り換え額も上昇した。

高齢になり、職を失い、利子を払えなくなったら、資産を処分するしかない。手にしたカネは住宅ローンの一括返済に回る。

後は住宅代がとてつもなく安い地区、スラム街に流れるしかない。それでも、「口だけ儒教の国」の息子世代は親への援助を渋るのだ。

せいぜい11万円程度の公的年金で、日本より高物価の社会で生きていく。大変だ。教会の無料給食があれば、長い列に並ぶだろう。

韓国銀行総裁は述べた。「韓国は貧しい老人の国。日本は豊かな老人の国」とバッサリと。

そういえば、日本の親韓派経済学者たちは最近、「購買力平価」を語らなくなったね。(室谷克実)

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